元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1039回
ガンの開発は「秒進分歩」

ドッグイヤーという言葉が
IT業界で使われます。
犬の成長が速いことになぞらえた、
技術進歩の速さを表す言葉ですが、
ことガンに関しても、
遺伝子解析の登場で、
医療技術や新薬開発の進歩も
長足の進歩を遂げている、
日本の医療はTOPレベルだと
よく、誇らしげに、研究者の間では
レポートされます。

しかし、現実のガン病棟ではどうでしょうか?
とくに、最新の手術が導入され、
最新の抗ガン剤が認可される一方で、
病院のシステムや医師の技量が追いつかず、
数々の医療ミス、医療過誤を起こして、
瀕死の患者をさらに
奈落に突き落とすような医療ミス事件が
続いていることもたしかです。
まさに、ガンの治療開発は人類最大の夢でありますが、
開発は「秒進分歩」、
治療は「牛歩遅々」というのが現実です。

もちろん、これは、
「医者が信用できない」といって、
ただ医師や病院を責めるだけでは収まりません。
患者もそれなりに覚悟を決めて、
最新のガン医療技術に
対峙すべきでしょう。

病棟で点滴を受けるときに、
表示されている患者の名前や薬の名前を
事前に患者が確認して、
間違った薬の投入から
救われたケースはいくつもあります。
皮肉な話ですが、
医療技術開発の“ドッグイヤー”の中では、
ますます、
自分の身は、しっかりと自分で守る――、
この患者心得が大切になってきたと思います。

ちなみに、つい先日も
「腹腔(ふっくう)鏡手術、半数が不合格」という
医療ミスのニュースが新聞を賑わしましたね。
ご存知のように、腹腔鏡手術とは、
腹部にあけた数か所の小さな穴から、
小型カメラ(内視鏡)や切除器具などを
挿入して行う手術で、
従来の開腹手術に比べて、
傷が小さく、術後の回復が早いといわれ、
「患者にやさしい最新医療手術」と
盛んに持て囃されてきました。
また、現実に、多くの大腸、胃、胆道の患者さんに
盛んに奨められたものですから、
びっくりしたのは、
僕だけではないと思います。


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2005年7月1日(金)

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