元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1041回
新薬だから命が助かるはず?

ガンの研究開発は「秒進分歩」、
治療は「牛歩遅々」――、
最新ガン治療にまつわる
医療ミスの話の続きです

おぞましい医療事故のケースは後を絶ちません。
県立奈良病院で、開腹手術の際に、
医療器具のゴム製ヘラを
体内に置き忘れた事件もありました。
東京医大病院では、
点滴用のカテーテルの挿入ミスで
患者が意識不明となる事故が起こるばかりか、
右耳と左耳を間違えて
切開される事件も起こりました。

また、最新医療と現実の治療のミスマッチといえば、
ガン患者の最大の関心事は
分子標的薬のひとつであるイレッサをめぐる事例でしょう。
イレッサ投与との関連が疑われる
国内の死亡者は、
昨年末で588人に上ることが報告されています。
しかし、多くの副作用が報告される半面、
手遅れ状態から
ガンが消えたという例もあるからです。

しかし、いくら、
最新手術や新薬が開発されても、
医療を扱うのは、人間ですから
受ける患者や家族は、
それなりの覚悟を決めて望まねばなりません。

大事なことは、
ただ「新薬だから命が助かるはずだ」と
高望みするだけでなく、
これからの人生をどう過ごそうと考えるか?
という人生観をはっきり持つことが、まず第一です。
次に、もし、その治療を受けるなら、
治療法について知識を得る、
つまり患者も一生懸命勉強する心得が第二です。
「よく学び、よく学ぶ」ことが、
ガン延命の大切なコツでもあるのです。
すべて医師任せ、すべて病院頼みはいけません。

これだけ、インターネットが
発達している時代ですから、
その情報収集を駆使して、
延命した人は結構、
僕の周りにもおられます。

僕は、このコラムでも何度も引用していますが
「少而学則壮而有為
 壮而学即老而不衰
 老而学即死而不朽」

少にして学べば則ち壮にして為すことあり
壮にして学べば則ち老いて衰えず
老いて学べば則ち死して朽ちず・・・

この処世金言を忘れないことが、
ガンの患者と家族にとっては
ますます大切になってきたと思います。


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2005年7月3日(日)

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