元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1156回
1運動、2食事、3禁煙、4サプリメント、5薬

ある日、NHKラジオで放送していた、
医療費負担増を防ぐための「健康管理のすすめ」・・・、
その発想が、いかにおかしいか?という話の続きです
この番組では「自己防衛策」として3つ挙げていました。

1.普段、健康診断に縁の薄い、
  自営業者や主婦も、誰でもが、
  事前に健康診断を受けろ・・・

2.もうひとつ、
  とくに、死亡上位の心疾患、脳疾患は
  内臓脂肪型の肥満が原因だから、
  生活習慣を変えろ・・・

3.生活習慣を改める方法は、
  1に運動、2に食事、3が禁煙で、最後が薬・・・

というものでした。

なるほど、なるほどと感心した人もいるでしょうが、
ちょっと、待ってください。
なぜかといいますと・・・、

まず、医療財政の問題と、
国民の健康管理の問題を取り上げるときに、
ガンという死亡率第一位(31%)の病気を、
なぜ、生活習慣病の範疇からはずして
話を展開したのか?
また、はたして、内臓の「数値」だけを並べ立てる
いまの健康診断で、
ほんとうに、ガン、心疾患、脳疾患といった
3大難病を防げると思っているのか?

さらに、生活習慣を改めるに、
おそらく、このコラムでも何回か紹介した
WHO(世界保健機関)の調査データをもとに、
1に運動、2に食事、3に禁煙を上げたのでしょう.
そして「薬は最後」というのが、
この番組の一番いいたいところだったと思います。
たしかに、僕も
「食事こそ命の素」という考え方に賛成ですが、
ただ、無難な欧米のデータを借りてくれば、
国民が睥睨するとでもいった安直な発想はいけません。

おそらく、ガンが蔓延し、
医療費負担で国家財政が破綻してきた
「米国の轍を踏むな」という、
“借り物思考”から発想したものでしょうが、
(筆者注・2005年、GDPの15%=200兆円が米国の国民医療費)
「健康管理のすすめ」に詭弁はいけません。
ま、短い時間の解説でしたから、
解説者も意を尽くせぬところがあったのかもしれませんが、
この長寿難病時代だからこそ、
借り物のような医療論理や発想を、
ただ世間に振りまくのは軽率だと思います。

米国にしても、
この健康と医療の危機を脱する手立てとして、
いまは、漢方薬やサプリメント(健康食品)といった
代替療法を見直し、その組み合わせによる、
統合医療の方策を模索しているのです。

僕なら、1に運動、2に食事、
3に禁煙、4にサプリメント、5に薬・・・

これこそ生活習慣改善の
5つの「順序の法則」としてすすめますね。
もちろん、サプリメントのような代替療法の中には、
患者を欺く商法もありますから、
いまマスコミは、恐れをなして沈黙しがちです。

しかし、最後にいのちを掴むのは患者や国民の
したたかにして「賢い知恵」なのです。
よく番組の間に
「NHKの番組はみなさんの視聴料で出来ています」
といったことを流していますが、
「物事の本質」を避けて通るような提案ならしないほうがよい。
かえって、多くの視聴者、いや患者や患者予備軍の判断を
危うくすることにつながると、僕は思っています。


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2005年10月26日(水)

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