元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1263回
いよいよ「いのちの時代」の幕開け

作家の山口泉さんが
信濃毎日新聞の連載コラム=
「同時代への手紙」で取り上げた、
「ホリスティック介護」論の話の続きです。

この論文では、昨年秋、東京・目黒で開かれた
「介護をもっと、ホリスティックに」という、
帯津良一医師と僕の講演セミナーの模様が取り上げられ、
「西洋医学の限界」と「ホリスティック医療の見直し」
について論評――、
1月20日付け、8段抜きで掲載されたわけですが、
この新聞は、全国紙ではありませんので、
まだ読んでいない読者のみなさんにも
ぜひ、お知らせしたく、抜粋紹介させていただいたわけです。

ちなみに、山口さんの新聞連載コラムは、原則として、
「国内外で撮影してきた自作写真つきの同時代批評」で、
 隔週金曜日の夕刊に掲載されているものですが、
 「弱者切り捨ての政治、庶民大衆自ら加担――
 9・11総選挙から2箇月半」
といった、いま、日本人およびアジアの人たちが
避けては通れない課題を独特の筆致で内面から抉り出し、
「戦後民主主義」の功利主義的な限界を超える
新たな倫理を形成しようというのが、
作家・山口泉の立脚点なのです。

では、山口泉さんの「ホリスティック介護」論とは?
まずは、帯津良一博士の履歴を紹介し、
「日本ホリスティック医学協会会長を始め
 さまざまな要職にあって、
 新たな全人的治療の可能性を追求する(略)。
 その温かな人柄は、多くのファンを持つ。
 私がこれまで何度か、帯津氏の講演を聴き、感ずるのは、
 医師として『医療』全般を俯瞰する見識の上に立った、
 幅広い教養人としてその世界像の豊かな魅力である」
と、帯津医師の先駆的役割を
内面の魅力から分析しているところが、
いかにも“ホリスティックな作家・山口泉”らしい、
視点だなあと僕は思いました。

そして、山口さんのホリスティック医学を論じる
“ホリスティックな論法”は、
僕の履歴と7年間のガン治療歴にも及んでいます。
「体験を踏まえての多くの著作や講演、
 夫妻で運営される『スローヘルス研究会』等、
 交流の場をも通じての活動は、
 がんをはじめ、多くの人々の励ましとなっている」と、
わがスローヘルス研究会のささやかな活動にも言及。
「以前、関根さんからいただいた著書には
 署名と共に『生命在脚下』というモットーが
 力強く墨書されている(略)
 『命にどん欲になることを恥ずかしがってはいけない』
  ことを説く関根氏は
 高圧的な医師や医療制度の権威主義、
 欺瞞的な宗教や『がん悲劇の通俗ドラマ』を
 厳しく批判する」
と、ちょっと身に余る評価まで頂戴して恐縮してしまいましたが、
僕たち患者組織の「スローヘルスな発想と活動」を、これだけ
真摯に捉えてくれた論文は、これまでにありませんでした。

たとえば、僕たちの活動をメディアが取り上げるにしても、
ともすれば「特殊な患者組織」と決め付け、
小生の評価にしても
「可哀想なガン患者」「数奇な経歴の持ち主」
としてしか扱わないわけですが、
この7年間の活動を俯瞰し、
ホーリズム(全体のつながり)な手法で、
このコラムが真摯に評価してくれたことは
とても嬉しいことでした。
もちろん、スローヘルス研究会の新雑誌、
「いのちの手帖」(3月1日発売)
の役割にも評価していただきました。
創刊号の巻頭言で、帯津良一博士が
「いまこそ医学は“いのちの時代”に突入した」
と宣言されていますが、
まさに「患者を主役とする医療=ホリスティック医学」
の幕開けを後押しする――
山口さんの新聞の論文に、
僕たちは意を強くしたわけです。

ぜひ、機会があれば、
信濃毎日新聞のバックナンバーを紐解いて、
山口泉さんの「ホリスティック介護論」を
読んでみていただきたいと思っています。


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2006年2月10日(金)

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