元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1268回
1000円の養生=100万円の治療?

国、医者、患者の「三方一両損」などと誤魔化しつつ、
患者の医療負担を多くし、
介護にしても、なるべく「自宅で自立させよ」といった
いのちをないがしろにするような医療行政がエスカレートする――、

連発される医療費負担増の改革とは、
赤字財政に打つ手がない政府自らが
「やたらと病院にいくな」「入院したければ高い金を払え」
とでもいっているようなものだ。
やがて、アメリカ並みに、入院費+手術費で
500万円、600万円が常識になる――

そんなアホなことが!と思う人もいると思いますが、
さにあらず、いのちの危機に遭遇したり、
困ったときにあわてて医者頼み、
病院頼みにしていては、いのちばかりか、
お金も長持ちしないという世の中となりかねない――、
こうした「医療費負担」「介護費負担」を巡る
医療後進国ニッポンの話の続きです。

では、どうすればよいのか?
たとえば、これまでのように闇雲に病院通いを続けつつ、
ただ医療制度改悪反対を叫ぶだけでなく、
これからは、一人一人が病気に掛からないようにする、
病院にむやみと通わないようにする・・・、
つまり、日ごろから、
元気に長生きするための
「予防」「養生」に励むことが大切なのです。

毎朝の散歩、過食の戒めはもちろんですが、
「いのちの有難さ」「いのちの値段」を図る
自学自習の養生の知恵が、
処世の原則になってくると思います。

医学では「予防医学」といいますが、
古来から、「転ばぬ先の杖」という諺があります。
これが、まさに長寿社会の「医食財」の養生訓であり、
人間のいのち丸ごとを考える賢い処世の知恵といえるでしょう。
「転ばぬ先の杖」について、
いまさら解説することもないでしょうが、
「前もって用心していれば失敗することがない」という譬えです。

欧米でも、
An ounce of prevention is worth a pound of cure
=「1オンスの予防は1ポンドの治療に値する」
という同じ諺があります。
ま、ちょっと乱暴に意訳すれば、
「1000円の予防(養生)は100万円の治療に値する」
となります。

ですから、元気で長生きには、
単なる病気予防どころか、ますます
日ごろからの「医食財」の養生が大切となってきたと思うのです。

こうした考え方については、
拙著「こうすれば50歳から病気知らず」
すでに、僕の持論として書いてきたことですが、
ただ医療の仕組みを機械的に替えればよしとするのではなく、
一人一人の「いのちの値段」を真剣に考え直す時代が来た、
とくに、患者のみなさん、患者予備軍の中高年者は、
衣食住ならぬ「医食財の養生」に大いに励むことが、
常識であり、原則となる――僕は、そう思っているわけです。

こんど、僕たちスローヘルスの会で発行する
「いのちの手帖」という新雑誌の巻頭言で
人間のいのち丸ごとを考える医学=
ホリスティック医学の草分けである帯津良一博士は、
「いよいよ21世紀は”いのちの時代“だ,
“養生の時代“だ」と書いておられます。
まさに、これからは
「一億総養生時代」の到来だろうと僕は考えています。


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2006年2月15日(水)

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