元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1601回
中年からのアニマシオン(魂育)

長寿災難時代が進むなかで
どう「自分らしく輝いて」生きていけばいいのか。
すべての人が多かれ少なかれ、こんな不安をもっているはずです。

まえにこのコラムでも拙著近刊「ガン延命学新書」の中でも、
子どもには「食育と魂育」の必要性を提案し、
大人には
「40歳からの魂進化論」のすすめを提案してきたのですが、
この老若男女がこぞって共有すべき、
スピリチャルな生涯学習の実践の中に、「元気で若生き」
いや、日本人のエネルギーを高めるヒントがあると
僕は考えています。

ガンに対するホリスティックな考え方と同じで、
身体性や物質性(金銭性)だけでなく、
精神性、霊性の分野でも、よりエネルギーを高めること、
それが自分らしく輝いて生きる
とくに中年からの「心の化粧」となる――、
これからはこうした時代に入ってきたと考えましょう。

からだだけでなく、あたまの働きの衰えを阻止する=
「知的好奇心」を絶やさぬことが
これからは「長寿の秘訣」にもつながると考えるからです。
脳の機能とは、繰り返し負荷をかけて
鍛えることによって活性化するものですから、
40歳を超えたら、自信を持って「知的好奇心を高めよう」
「脳を活性化させよう」=魂を進化させよう=という考え方です。

ちなみに、教育基本法や食育基本法が成立しましたが、
これとて、まだまだ身体性、物質性、金銭性のレベルに止まり、
その行政システムをどう変えるか?
といった議論に終わっていますから、
とても山積する難問が根本的に解決するとは思えません。
ましてや、この長寿災難時代を乗り越える
希望のモノサシになるとも思えません。

というわけで、まだまだ少数派ではありますが、
医学ではホリスティック医学、
教育ではシュターナー教育法といった、
「魂・心」に基本をおいた発想法が見直されています。
ずばり、「アニマシオン」という魂の教育を
標榜するメソッドも、日本で注目を集め始めました。

ちなみに「アニマ」は魂・こころという意味ですが、
「アニマシオン」とは、
魂が「いきいき わくわくと活動する様子」を指します。
1970年代からスペインで開発され、
いま日本でも注目され始めた文化運動が
「アニマシオン」=魂育ですが、
読者の子どもと作者との「対話」をつくり出す
幼児から高校生くらいまでを対象とした、
新しい読書教育の提案のようです。

僕たち夫婦にも、この春からプレ幼稚園に入る、
2歳の孫娘がいますので、爺さん、婆さんとしては、
ついブランドものの可愛い衣服や、自然食のスープやお菓子、
さらにボタン操作が面白いデジタル玩具を
たくさん買い与えてしまうのですが、
日々、急成長していく好奇心のありさまを見ていると、
いやいや、食育やモノの選別も然りだが、
読書こそ、魂育のスタートと思い知り、
創作童話や並べ替え絵本を
時間をみては読んで聞かせています。
でも、こんなに小さな命にも、知的好奇心、精神的昂揚は
大人以上に旺盛で、
日々、知恵がぐんぐんついていくのには驚きます。
改めて、人間は、からだだけでなく、
心も魂も一緒になって成長し、進化しているものだと、
60歳後半を過ぎた爺さんが
「負うた孫」に教えられているわけです。

東西の医学理論が云々などというまでもなく、
これからは「中年からのアニマシオン(魂育)」=
大いに知的好奇心を昂揚させ、
中年からも「魂を進化させる」ことが大切です。
この長寿災難時代に「自分らしく輝いて生きる」ヒントが
ここにあると思います。


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2007年1月14日(日)

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