元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1615回
患者と家族の「スローヘルス報告」

1月17日(水)午後6時~9時、
東京・新宿の「銀座アスター 新宿賓館」で開かれた、
「スローヘルス研究会」の新年会の話の続きです。
帯津良一博士の「年頭講演」を中心に、
懇親・講演・食事の立食パーティを愉しんだわけですが、
第1部 スローヘルス研究会報告では「いのちの手帖」の
執筆者3人の方々から近況報告と挨拶をいただきました。

 *

●夫・原田廉平さんの3回忌を迎えた原田清美さん=
「夫が肺ガンで逝って3年目を迎えました。
キャンサーフリートピアの土屋繁裕先生の
心温まる診察の中で、いのちを引き取ったのですが、
スローヘルス研究会のみなさんと交流させていただき、
『ガンは決してあきらめてはいけない』ということを学びました。
帯津先生は「人は150億年前の虚空の彼方からきて、
やがて死してその虚空に帰る」とおっしゃっていますが、
その通り、はるか「いのちの旅」に旅立ったのだと思っています。
私たち夫婦も、スローヘルスな生き方をみなさんに
お勧めしようと、地元富山で研究会支部を作り、
土屋先生や関根会長をお招きして活動を始めた矢先でしたので、
夫も思い残すことはあったでしょうが、
これからも、みなさんの支援に支えられて、
富山でのスローヘルス活動を続けていきたいと思っています」
*なお原田清美さんは、3月1日発売の
「いのちの手帖」第3号の特集=
「明日を見つめて! ガンが教えてくれたこと」の中で、
「つながりあって生きる!夫が遺してくれた『いのちの賜物』」
というエッセイを寄稿されています。

●昨年、11月、妻の満子さんを膵臓ガンで失った阿部剛さん=
「膵臓はなかなか治療の難しいガンですが、
いまは、大変、貴重な体験をさせていただいたと思っています。
僕たち夫婦はやれるだけのことはすべてやろうと、
スローヘルス研究会のみなさんからも知恵をいただいて、
最新の抗ガン剤、温熱療法から食事療法まで、
いろいろ工夫してきました。
最後は在宅介護となりましたが、
途中、思い切って夫婦してヨーロッパを旅したのですが、
いまは楽しい思い出となりました。
帯津先生はじめ、スローヘルスの会のみなさんとも
知り合うことが出来、夫婦して、
人生の貴重な知恵を学んだと思っています」
*阿部剛さんは、この間の闘病記を
「いのちの手帖」創刊号に寄稿されています。

●急性骨髄性白血病から三年、
奇跡的に回復した花井陽光さん=
「最初の6ヶ月、骨髄の中の白血病細胞を
抗ガン剤で減少させるため、想像を絶する量を投与され、
激しい副作用に襲われたわけですが、ほぼ寛解しました。
さらに、2度の危機を乗り越えるために抗ガン剤治療を経て、
最後は、骨髄移植を行いました。
これまた、抗体反応などが激しく、
苦しい目にも会いましたが、
おかげで回復することができました」
*花井陽光さんは、まさに想像を絶する抗ガン剤と
骨髄移植、そして、その回復の体験報告を
「いのちの手帖」の創刊号、第2号、
さらに、これから発売の第3号にエッセイを連載されています。
また、すでに環境問題の執筆活動も開始し、
「このままでは地球はあと10年で終わる」(洋泉社)という
新刊本を共同執筆しておられます。

スローヘルス研究会の新年会、第一部で
挨拶された、この3人の方たちの話に共通していることは、
最後まで「あきらめない」「納得した人生を送ろう」
という、スローヘルス=温和療法の知恵です。
あわせて「いのちの手帖」のエッセイも読んでいただき、
ガン治療、養生の参考にしていただきたいと思います。


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2007年1月28日(日)

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