元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1767回
帯津医師の新刊書から学ぶこと

「月刊帯津」こと、僕の敬愛する主治医・
帯津良一医師の近刊「まるごと〈健康〉」(春秋社)
の紹介の続きです。
『人間丸ごと医学=ホリスティック医学』の理論書というよりは、
その理論形成、人生設計に多大の影響をもたらした
人生の師友たちとの交遊、
いや帯津医師が大切にしている
「人生の旅情」に共感(エンパシー)してきた
人たちとの「人間丸ごとの生命場ドラマ」が
書き綴られているところが、この本の魅力です。

本を読めば分かりますが、
帯津医師のと「人生の旅情」を共有した人たちは、
国内、中国はもちろん、
イギリスやアメリカ、さらにギリシャなど、
地球の場・丸ごとに広がりを見せていることに驚きます。
「似たものが似たものを治す」とする
ホメオパシー医学の巨人・ヴィソルカス教授を
エーゲ海のアロニソス島に訪ねるエピソードは
とてもわくわくする箇所でありますが、
また「まるごと健康」の考え方も
平易に解説してくれているポイントです。

        *

教授の健康についての定義はこうである。
(1) 身体性の健康・・・それは、苦痛からの解放である。
(2) 精神性の解放・・・それは、情念からの解放である。
(3) 霊性の解放・・・それは、利己主義からの解放である。

         *

そして、この話をキッカケにして、
伊那谷の老子こと、加島祥造さんと談論風発。
「苦痛の中での解放「情念の中での解放」
「利己主義の中での解放」と
とする「老子の無為自然」の考え方に共鳴、
共感する件(くだり)は圧巻です。
まさに、帯津医師の「人生の旅情」、「生命場の交友ドラマ」が、
この本にはイキイキと満ち溢れて伝わってきますから、
ぜひ読んでみてください。
必ず、あなたも心魂がときめくはずです。

僕も、帯津医師の本は、何冊も読んでいますが、
とくに面白かったのは
第9章・「人生の旅情」をかきたてる教育、そして愛
第10章・ユーモアと「幽黙」・・・の項目でした。

帯津医師が「あとがき」に書いているように、
「第9章・『人生の旅情』をかきたてる教育、そして愛」
に登場する「小母さん」の話が、
この本のエネルギー場を盛り上げる核心です。
なぜ面白いかは? この本を読んでみてください。
かつての「帯津少年」に
人間丸ごとの影響力をもたらしたエピソードや、
やがて東京大学理科U類に合格するまでの、
「青春の旅情」をかきたてた秘密が明らかになります。
人生とは、医療とは、いのちとは・・・
こうした「旅情や愛情」とのめぐり合いで作られていくもので、
決して「機械部品を積み重ねて作られるものではない
ということをあるがままに教えてくれます。

もうひとつ面白かったのは、
帯津医師がロンドンでスピリチャル・ヒーリング、
つまり、祈りと手かざしによる
研修を受けに行ったときのエピソードです。
尋ねた場所が、神智学の創始者である
「ブラヴァッキー」女史に由来する館で、
ちょっと、薄気味悪かったそうです。
なんと、ロンドン中の怪しげな人たちの集まる、その談話室で、
人智学の創始者「シュタイナー」
の亡霊?に遭ったらしいのです???
いかにも帯津医師らしく
ユーモアを込めて綴っているのが印象的でした。
この箇所が面白かったのは、先月、僕がウイーンに旅して、
●医学史博物館ヨゼフィーヌム (Josephinum)
●病理・解剖学博物館
(Pathologisch-Anatomisches Bundesmuseum)
●フロイト博物館(Siegmund-Freud-Museum) 
といった、おどろおどろしい医学博物館を探訪し、
目に見えない「いのちの謎」、まさに身魂心丸ごとの
「不思議を解剖」する趣きの地霊エネルギー漂う空間を
彷徨ったために、
思わずエンパシー(共感)してしまったのかもしれません。

ともあれ、人間丸ごとの「健康と医療」の不思議を、
あるがままに、自然のままに伝えた、
これぞ珠玉の「いのち」のエッセイ集です。
もちろん、あなたに希望をもたらしてくれることは
間違いありません。


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2007年6月29日(金)

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