元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1885回
薬は毒なり

いのちのエネルギーが漲る、
83歳の元気なお医者さん、
中野次郎さんと神戸の自然食材レストランで食事をして、
こちらもすっかり元気付けられたという話の続きです。

さて、このとき出た中野医師から伺った、
日本の医療制度の欠陥と、
元気で長生きのヒケツの話を少し紹介しましょう。
44年間も米国で内科医として働いて来て帰国した
中野医師は、なにはともあれ、
日本の服薬の多さにびっくりしたそうで、
「薬は毒なり」というのです。

薬漬けになっているお年寄りが薬を全部中止すると
体の調子がよくなるのは、薬の副作用がなくなるからなのです。
薬の数が多いほど副作用が増えます。
1つの薬で平均4%ほどが、
3つで25%、4つで50%を超すとのデータもあります。
米国の医師は特別な場合を除いて、
できるだけ3剤までに抑える。
ところが日本では5つ6つも珍しくない。
高血圧、頭痛などの患者が11剤ものんでいるのに驚きました。
血圧を下げる利尿剤、鎮痛剤、睡眠剤、めまい薬……。
副作用予防というカリウム剤や
痛風薬、胃薬、ビタミン剤も加わっていた。

この女性患者に、私は2錠だけ処方しました。
そして、次のような生活改善法をお願いしました。
(1) 毎日、散歩かラジオ体操をする
(2) ストレスを減らす
(3) 禁煙
(4) 節酒
(5) 高たんぱく、低脂肪、高繊維食(野菜、豆腐、魚など)を
   ゆっくり噛んで食べる
すると、彼女の体調がめきめき回復してきました。

日本人は大病院志向です。
大病院は行く度に医者が変わります。
アメリカ人は大病院を嫌います。
日本人にかかりつけ医が少ないから医者のはしごが多いのです。
3時間待ち3分診療とは大きな違いです。
あいさつをすることでコミュニケーションがとれます。
ハワイでは互いにキスして抱擁しなければ診察させてくれません。
それによって医者と患者の関係が緊密になります。
日本人は医者への質問が少ないけれど薬、点滴を欲しがります。
複数の医者にかかると
同じ種類の薬をもらい無駄な出費がかかります。
同時に薬漬けになり副作用が頻発します。
アメリカでは薬は自費で
患者は自分の飲んでいる薬名を知っていますから
薬漬けが少ないのです。

日本では、
社会人としての判断力を備えていると思われる人でさえ、
医者の処方薬を自分で
しっかりチェックせずに飲んでしまうため、
薬漬け医療で不調を訴える人が絶えません。

根本の症状を抑えれば十分なのに
「臨床薬理学無視」の日本の医師たちは
細かな症状ごとに薬を足していた。
米国流ではたった2剤〜3剤で済む。
症状の大半は副作用のせいなんですよ

         *

どうですか?
83歳にして、肌がきれいで元気な中野氏の秘密も
日本の中高年がいかに
薬漬けの副作用にに悩まされてきたかも分かったと思います。
この長寿難病社会の大敵は、
「薬漬け」にあるというわけです。


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2007年10月25日(木)

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