元週刊ポスト編集長・関根進さんの
読んだら生きる勇気がわいてくる「健康患者学」のすすめ

第1942回
帯津さんの「大いなるいのち」

「健康問答2」 「いのちの力」
「体内の循環を良くすれば病気は治る!」 「静けさに帰る」
「健康になる格言」 「死を思い、よりよく生きる」

まさに「週刊帯津」の様相で、帯津良一医師の
スピリチャルな新刊本が読まれている――、

僕たちが出版している「いのちの手帖」には、
毎号、巻頭言に寄稿エッセイが載っているので
合わせて読んで、この長寿難病時代の生老病死を考え、
自分の納得いく「いのち哲学」「人生設計」をしていこう――、
という話の続きです。
これまでに「いのちの手帖」の巻頭言に寄稿していただいた
帯津さんの
スピリチャル・エッセイのタイトルは以下のようなものです。

●「いのちの手帖」創刊号=「創刊の辞 いのちの時代へ」
●「いのちの手帖」第2号=「大いなるいのち 草原の輝き」
●「いのちの手帖」第3号=「文豪・夏目漱石の死生観」
●「いのちの手帖」第4号=「養生の達人・五木寛之さん」

前回、すでに売り切れになってしまっている
創刊号のエッセイを紹介しましたが、
第2号も読んでいない人が多いと思いますので紹介します。
帯津さんのいう「いのちのエネルギーの源」が分かります。

          *

【巻頭言】
大いなるいのち   草原の輝き  帯津良一
         
今年も草原行きの日が迫ってきた。
二年に一度、草原に一人立って虚空と向かい合うことにしている。
草原とは中国は内モンゴル自治区ホロンバイル草原のことである。
ホロンバイル草原を訪れるようになって、
もう二〇年になるからほぼ一〇回目ということになる。
最初は私の病院のがんに対する漢方薬治療の基礎を
つくってくれた北京の李岩先生に連れられて行った。
雨に煙る、その時の北京駅がいまでも目に浮かぶ。
李岩先生はいまはどうしているやら、
最後に便りがあったのは五、六年前のこと、
そのときは香港からであったが、
名にし負う奇人の先生のことだから、
そのままおとなしく香港に居るとは思えない。

当時は北京の中日友好医院の副院長。
ホロンバイル草原の中心都市ハイラルにある
ホロンバイル盟立病院の特別顧問でもあった。
李岩先生の拙劣にして愛敬のある
日本語だけを頼りにモスクワ行きの国際列車に
乗り込み雨の北京駅を後にしたものである。

なんと三五時間の旅である。
食堂車には五回足を運ぶ。
トイレには何回行っただろう。
三日目の午前三時、
やっとこさという感じでハイラル駅に到着した。
驚いたことに真暗なホームに人が犇(ひしめ)いている。
何事か?と訝(いぶか)ったが、
すぐに私たちを迎えに来た人たちだということに気がついた。
しかも、どうやら目当ては私の方だ。
この地方では当時はまだ外国からの訪問者は珍客だったのだ。

翌朝早く通訳役のアルタンサン医師がやってきて、
流暢な日本語で日程の説明。
流暢など頃ではない日本人そのものだ。
ハルピンの軍医学校を出て
日本軍の軍医として従軍していたというが、
それだけではない、やはり天性のものだろう。
驚いたことに、翌々日、
私が執刀する食道がんの手術が予定されているという。
冗談じゃない。そんな話は聞いていないと抗議するも、
私はただお伝えするだけですといなされてしまう。

           *

以下、明日に続きます。


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2007年12月21日(金)

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