旅行記者・緒方信一郎さんの
読んでトクする旅の話

第2回
格安料金で乗れる新興航空会社

航空業界は世界的な不況の真っ只中にあると言われています。
ここ数年、サベナ・ベルギー航空、スイス航空、
TWAトランスワールド航空、
アンセット・オーストラリア航空など
大手航空会社が相次いで運行停止や吸収合併の憂き目を見ました。
アメリカや日本でも多くの航空会社が赤字に喘いでいます。
しかし、その一方で料金の安さでアピールする
新興の航空会社が好調な売上を記録するようになってきました。

イギリス国籍のイージージェットは
競争相手のゴー社を合併し事業を拡大。
アイルランドを拠点とするライアンエアーも
好調な利益を確保しています。
推計ですが、イギリスの全旅客のうち
こうした格安航空会社の利用率は実に25%を超えています。
日本でもスカイマークエアラインズやエアドゥなどの
新興航空会社が出てきましたが、
発着枠が少ないことなどからシェアの拡大に苦心。
業績も赤字続きなのと比べると大きな違い。
アメリカのジェットブルーなどは
米国同時多発テロ事件後も好調な業績を示し、
アメリカ東部から西部への路線開拓も進めています。
皆さんが新聞やテレビなどで受けている、
アメリカの航空会社は倒産寸前、というイメージは、
この会社にはありません。

格安航空会社が人気を集めるのは、もちろん安いから。
たとえば、2003年3月の場合、
ライアンエアーのロンドン−ダブリン間は片道10ポンド、
つまり2100円程度。
これに、税金や保険などを加えると
片道5000円程度になってしまいますが、それでもかなり安い。

それだけ安い料金を提供するために、
格安航空会社はコストを徹底して削減。
販売ルートに旅行代理店は通さず、
インターネットあるいは電話での直接販売のみです。
クレジットカード決済で、航空券も出しません。
予約やルートの変更も基本的に不可。
そうした条件を承知の上で、利用しなければなりませんが、
慣れてしまえばどうということはないもの。
世界的に倹約ムードが広がる中、利用者はまさにウナギのぼり。
滞在先から格安航空会社を使って、
他の街へ行き、旅の幅を広げるのもいいかもしれません。


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