旅行記者・緒方信一郎さんの
読んでトクする旅の話

第9回
蛍が規則正しく並んでいる夜景!?

旅慣れてくると、有名な観光地をバカにする傾向が
何となくありますよね。
ボクは、ワタシは、観光地なんて行かないよ、といった。
確かに、観光地ばかり巡るのは旗振りツアーの客と同じで
旅しているとはいい難いわけですが、
中には超が付くほど有名な観光地にも
何度行っても飽きない所があります。

私の場合は、ニューヨークのエンパイア・ステートビルがそう。
あそこの展望台からの夜景が好きなんです。
マンハッタンがオレンジ色に統一された光に覆われ、
蛍が規則正しく並んでいるような感じ、とでも言いますか。
西洋の街の夜景は見た目の色が統一されていて好みなのですが、
ニューヨークは格別なのです。

最近、ひょんなことから、
なぜそんなにも好きなのかを考える機会に恵まれました。
住宅関連の雑誌の手伝いをしたのですが、
そこでパリ、ロンドン、ニューヨーク、
そして東京の建築物の違いをレポートしたのですが、
東京には建築物を一定の基準で統一する法律がないそうです。
ですから、ビルやマンションのオーナーが
好き勝手なデザインで建物を装飾してしまうわけです。
その雑誌の編集者は、
一般の学校では建築についての授業もないから、
建築物に対する意識が低くなってしまう、と言っていました。
そういえば、日本の街には
ケバケバしいネオンサインが溢れていますよね。

つまり、私はエンパイア・ステートビルから
日本では見られない計算された照明の美しさを見て
楽しんでいたのでしょう。
ギラギラしたネオンサインは活気があって好きだ、
という人もいるでしょうから、好みの問題でもありますが、
それならラスベガスのように
笑えるほど派手にする方法もあると思うのですが。
そんなことを考えながら、
海外で夜景を眺めるのも楽しいものですよ。


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