旅行記者・緒方信一郎さんの
読んでトクする旅の話

第109回
同業者と集う旅

1泊3日のヨーロッパ旅行、2泊4日のアメリカ旅行、
もう1泊は飛行機の中。職業柄、そんな過酷な旅もあります。
航空会社やホテルが現地で記者会見を開くからと招待される。
飛行機代もホテル代も持ちますと言われれば、
行かないといけないわけです。これだけ期間が短いと、
帰ってきてから時差ボケしないって知っていますか?
まあ、そんなことを知っていても自慢にはなりませんが。

さて、そうした集いには世界中から記者たちが集まるわけですが、
外国人とはいえ、皆同業者ですから、なんとなく親近感を覚えます。
同じアジア人だからでしょうか、香港の記者とは、なぜか話が合う。
お互い英語が不自由というのもあるかも知れませんし、
香港は97年までイギリスに統治され、
戦後の日本は年を追うごとにアメリカ文化の影響が濃くなっている。
そんな似たような国の事情があるからでしょうか。

ある香港の新聞記者は、アメリカの記者会見に醤油を持参。
シャケのムニエルにこっそりかけて食べていました。
「アメリカの味付けは口に合わない」と彼は言っていましたが、
確かにそのときの料理は味が薄かった。
私も一緒になっていただいてしまいましたが。

職業履歴の長さにもよるのですが、同じ日本人でも、
たとえば不動産業の人たちなどは、同業の外国人以上に、
「異国の人」という感じを、私は受けます。
嫌いとかそういうことではなく、価値観がまったく違うのです。

「グローバル化」という言葉を、ニュース番組などでは、
力を振りかざす超大国対善良な少数民族、
あるいは資金にもの言わす大企業対額に汗して働くな中小企業
といった構図を持ち出し、「グルーバル化」は独自の文化を
壊すものとの論調で報じられることが多い。

私が彼らの価値観を理解できないだけかも知れませんが、
「グローバル化」を人と人との交流と考えれば、
意味はまったく違いますよね。
マスコミも、あるいはマフィアも、いろんな「業界」で、
国際交流や提携が進み、その密度が濃くなっているのを感じます。
従来の企業の「研修旅行」などではなく、
もっとサークル的な感じで、
外国の同業者と集う機会が増えるといいと思うのですが。
そういう商品を売り出す旅行会社はないでしょうか。
「旅が好き」という人たちだけで集うのもいいかもしれませんが。


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