旅行記者・緒方信一郎さんの
読んでトクする旅の話

第112回
為替の動きを見て、ホテルの購入先を決める

米・ドル、EU・ユーロ、韓国・ウォン、タイ・バーツ・・・。
旅先の国の通貨に対して、円が強いのか、弱いのか。
また、円高なのか、円安なのか。そういった為替の事情は、
旅のおトク度に直接かかわってきます。

旅行費用に占める割合が高いのは航空券代とホテル代ですが、
航空券代はずいぶん安くなりました。
人気といわれる旅行地なら、世界的に見ても、
かなり安い航空券を日本で購入することができます。
日本円での購入なら、言うまでもなく為替の影響はない。
しかし、ホテルは少し事情が異なります。

ホテルの料金は通常、半年ごとに変わります。
4月から9月の上期と、10月から翌年3月の下期。
それぞれの半年間は料金が一定というホテルが多い。
日本の旅行会社やクーポン会社が出している料金も
これに準じています。半年単位で仕入れて売られていると、
考えれば分かりやすいでしょう。

料金はその半年ごとの仕入れの際に決められるわけですが、
国内で売る場合、仕入れが現地通貨や米ドルであったら、
日本円に換算しなければなりません。
換算の際には、その時々の為替レートが参考にされるわけですが、
半年もの間、レートが一定だとは限らない。
円高になるかもしれないし、円安になるかもしれない。
そのあたりを見越して、旅行会社やクーポン会社は、
彼らならではのプロフェッショナルな「カン」を頼りに、
なるべくリスクの少ない値付けをするわけです。

しかし、それでも最近のように急に円高ドル安になることもある。
さて、ここで知恵を絞るのが賢い旅行者。
まず、円高になったなら、旅行会社やクーポン会社から買うより、
現地のホテルや旅行会社に直接予約した方が安くなる可能性がある、
と考えてください。円高で、円が強くなっているわけですから。

逆に円安に振れたなら、過去の為替レートをもとに決められた、
日本の旅行会社やクーポン会社の方が安い可能性がある、
と考えましょう。
もちろん円高や円安に動くといっても、少しの違いでは差が出ない。
対米ドルで言えば、1円や2円程度ではあまり変わらない。
一般の旅行者が一度の旅行で使う金額を考えると、
5円とか10円くらいの差がないと、為替のメリットを享受できない。

たとえば1週間で1500ドルのホテルがあるとします。
1ドル120円のときに日本円に換算されていれば18万円です。
しかし、1ドル110円に上がった場合、現地に直接予約して、
同じ1500ドルで購入できれば16万5000円ですむ。
1万5000円おトクになるわけです。
最近は、旅行会社やクーポン会社が、自社のホームページで、
キャンペーンとして安い料金を不定期に出すこともありますから、
それも見ながら、一番おトクな料金で泊まってください。


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