旅行記者・緒方信一郎さんの
読んでトクする旅の話

第174回
空港でお風呂に入ってリラックス!?

近年、新しく造られている空港は、
どこも似たり寄ったりで情緒がない。
旅慣れた人ほどそう感じているかもしれません。
しかし、一方で、空港のサービスは向上しています。
新しい空港に共通している、明るく、清潔なこと自体が、
利用客に安心感を持たせるという利点を持っています。

航空会社が民営化されるようになってすいぶん経ちますが、
空港もどんどん民営化されています。
国内でも、1994年に開港した関西空港は民間経営。
成田空港も民営化に向けた準備が進んでいます。
来年2月に開港予定の中部国際空港の場合、
従業員の半分は国や自治体関係者ですが、
残りの半分は民間企業からの出向者や、
一般応募で採用された方たちです。

民間会社となれば利益を出し、
健全な経営状態を保っていかなくてはいけない。
空港というのは特殊な「場所」で、
CIQ(税関、出入国審査、検疫)のように、
国に任せるしかない部分もあります。
しかし、それ以外の、たとえば、
サービス施設やテナントの管理・運営、
航空会社との交渉などを上手に行って、
利益を出す必要があるわけです。
利用客向けのサービスに力を入れる必要もある。

中部国際空港は商業スペースを、
いくつかのエリアに区切る計画です。
日本の古くて懐かしい宿場町をイメージし、
お風呂や食事が楽しめる「地元の食と癒しのゾーン」、
マッサージやエステ、温浴、美容室、仮眠などができる
「マルチ・リラクゼーション」、
中華料理やイタリアンなどの世界各国の味が楽しめる
「ワールド エンターテイメント ゾーン」、
各国の雑貨を集めた「世界の雑貨ゾーン」、
さらに「クイックグルメと和の世界ゾーン」と、
目的や趣向に応じたエリア分けがされるそうです。
出発前にひと風呂に浴びてリラックス、
いいかもしれません。

無味乾燥、個性がないなどと、
揶揄されがちな近年の空港ですが、
中部国際空港の計画などを見ていると、
その街の雰囲気を味わえるとか、
展望デッキからの眺めがいいといった、
従来型のサービスとは違った楽しみがある。
そんな空港が続々と出てくるのではないかと、
期待したくなります。


←前回記事へ 2004年1月12日(月) 次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ