今日から食卓が豊かになる
おいしくて簡単にできる

第79回
まとめ(4) 揚げものの調理法とコツ その1


日本料理でも西洋料理でもおなじみの揚げものは、
中国料理にもたくさんあります。
揚げものが幅広く好まれるのは、
仕上がりの香ばしいおいしさもさることながら、
材料の鮮度がとくべつよくなくても
あまり気にならないからでしょう。
とくに鮮度が気になる魚などは、多少イキが悪いかナと思ったら、
揚げものにするほうがよいのです。

揚げものを、中国では「炸菜」と呼びます。
「炸」とは、たっぷりの油で材料を揚げることをさしますが、
材料には必ず下味をつけておくようにします。
この下味をつけた材料を揚げるとき、
衣をつけるものとつけないものがありますが、
それによって呼び方が変わります。

清炸(チンツァ):
材料に下味をつけ、そのまましばらくおいて味をなじませ、
味がしみたら何もつけずにそのまま揚げます。
焦げやすいので火加減が大切。
外側はカリカリに、中身は柔らかくなるように揚げます。
油の温度は140〜180度くらいにします。

乾炸(カンツァ):
下味をつけた材料に片栗粉や小麦粉をつけて揚げます。
これも火加減に気をつけます。
清炸とともに、材料のもち味をいかす揚げものです。
油の温度は140〜180度。

軟炸(ロアンツァ):
下味をつけた材料に、衣をつけて揚げます。
一般的な衣は「蛋白糊(タンパイフ)」と
「鶏蛋糊(チイタンフ)」で、
「蛋白糊」とは、
卵白に水、片栗粉、小麦粉、ベーキングパウダーを混ぜたもので、
紅色を帯びた白色に仕上がります。
「鶏蛋糊」は、全卵に水、片栗粉、小麦粉を混ぜたもので、
黄金色に仕上がります。
中身が柔らかく揚がる方法で、いちばんよく使われる衣です。
「軟炸」の油の温度は140〜180度です。

酥炸(スウツァ):
衣の中にベーキングパウダーとラードを加え、
下味をつけた材料にこの衣をつけて揚げます。
衣の中に油が入っているので、
サクサクとした口当たりになりますが、
「酥」とは、このサクサクした口当たりのことをさします。
衣には、このほか、クルミやピーナッツなどの、
みじん切りを入れることもあります。
油の温度は140〜180度くらいです。

炸高麗(ツァカオリ):
堅く泡立てた卵白に、片栗粉や小麦粉を加えて衣を作り、
下味をつけた材料に、この衣をつけて揚げます。
白く、雪のようにきれいに揚がるので、
甘い料理に用いられることが多い方法です。
油の温度は120〜160度です。


←前回記事へ

2004年11月3日(水)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ