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第85回
まとめ(10) 蒸しものの調理法とコツ


材料の持ち味を最もいかす調理法が蒸しものです。
これは、東洋特有の調理法で、
あっさりと淡白な味に仕上がるのが特徴です。
材料を蒸してもち味をいかすには、
材料が新鮮でなければなりません。
もちろん、いちばん新鮮なものは生で食べればよいのですが、
生の次に鮮度を気にするのが蒸しものです。
揚げものや炒めものなら油などで風味を補うことができますが、
蒸しものはそうはいきません。
なるべく新鮮な材料を使いましょう。

中国では蒸しもののことを「蒸菜(チョンツァイ)」と呼びます。
蒸しものにも、蒸しただけのもの、蒸したあとあんをかけるもの、
スープを加えたものなど、いろいろな種類があります。

清蒸(チンチョン):
材料に下味をつけて蒸し、そのまま食べます。
魚を卵を蒸すときによく使われる方法で、
これはとくに鮮度が勝負です。
ねぎやしょうがなどをあしらって蒸し、香りをいかします。
仕上げに上等のスープ(清湯)をかけることもあります。

粉蒸(フンチョン):
下味をつけた材料に、米粉をまぶして蒸します。
四川料理に多い調理法です。

糟蒸(ツオチョン):
北京菜によくみかける調理法で、酒粕を使って蒸し、
その香りをいかします。

<手偏に口>蒸(コウチョン):
揚げたり煮たりした材料を椀にきっちり詰めて蒸し、
皿にひっくり返して出します。
このまま食べたり、あんやスープをかけることもあります。

●なるべく大きく深い蒸し器を使います。
蒸しものをするときに大切なのは、
蒸気を逃がさないようにすること。
そのためには、なるべく深く大きい蒸し器を使うことです。
中華鍋と、それに合わせたせいろ(蒸籠)を使うと、
蒸気が均一に回り、しずくが落ちないので、
いちばんやりやすいのですが、和風の蒸し器でも充分間に合います。

●魚や肉を弱火で、卵は弱火で蒸します。
材料によって、火加減と時間を調節します。
火加減は、卵以外の材料はすべて強火で短時間で蒸すのがコツです
とくに魚は弱火で蒸すと、仕上がりに艶がなく、
水っぽくなりますし、身がくずれることもあります。
それに魚は時間をかけると身がしまって堅くなってしまいます。
一方、卵は必ず弱火で時間をかけて蒸すことです。
卵を強火で蒸すとスがたってしまいますから、弱火にし、
ふきんや箸をはさんで蒸気をわざと逃がして蒸すようにすると
うまく仕上がります。

●蒸し器ははじめに熱して蒸気を上げておきます。
蒸気がよく上がらないうちに材料を入れると、
仕上がりの味が落ちます。
必ず、よく蒸気が上がってから入れるようにしましょう。
また、蒸しているうちに湯がなくなり、
焦げつくこともありますから、途中で湯の量を調べ、
少なくなっていたら湯を足します。


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2004年12月15日(水)

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