税理士・濱田善行さんの
「こんなんありだ税っ!」

第23回
ネコババ

『益税』という言葉を聞いたことがありますか?
これは、制度上認められた、
納めなくてもいい消費税額のことです。

消費税としてもらったお金を、
消費税として納めなくてもいい、
ということは、
まさしくネコババ行為といえるものですが、
なぜこれが認められているのかというと、
消費税の導入時に、
急激に増加する税負担と、事務負担を軽くするため、
免税点制度と簡易課税制度が設けられたためです。

免税点制度とは、
年間売上高が3000万円以下である会社は
消費税を納めなくてよいとされたもので、
差額計算で求められる、
本来であれば納めるべき税額の全額が、ネコババできます。

また、簡易課税制度とは、
年間売上高が3000万円超2億円以下の会社にのみ認めらた、
簡便的な計算方法で、
もらった消費税から、
業種ごとに5段階に定められた一定割合を差し引いて計算します。
よって、
実際に支払った消費税よりも、差し引かれる金額が多い場合には、
その分だけ、ネコババできることになります。

うちの近所の眼鏡屋さんなどは、
「当店では消費税をいただいておりません!」
なんて貼り紙をして幾久しいのですが、
どう見ても年間3000万円超も売上げているようには見えず、
ネコババしてないヨ、
という姿勢はとても好ましいのですが、
店の佇まいちっとも好ましいものではなく、
消費税をネコババしててもしてなくても、
どっちみち売れそうにないのが痛々しく、
ここまでくると、
むしろネコババしていて欲しいとさえ思わせる風情です。
八百屋とか魚屋さんとか、
近所にそういう店、ありませんか?

ということで、また明日。


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