第39回
カフェの今を知る その14
客席7回転の論理 コメダ珈琲

もし今、昭和56年に16万店もあった喫茶店が
全部生き残っていたとしたら、
それはどんな条件をクリアしたかと想定して見ると
「客席7回転は繁盛店」
と云う法則を満たしたからだと答える事が出来ます。

客席が一日で7回(7人)利用されたら
これは大変な繁盛店になるのです。
客席7回転の最も標準的なパターンは、
朝から昼までに客席2回転、
昼ランチタイムで1.5回転、
昼から夕方まで1.5回転、
夜から閉店まで2回転の計7回転です。
今日の喫茶店は平均で2〜3回転でやっとですから
この7回転をセルフサービス方式ではない
フルサービス型のオーセンティックカフェで行うのは
相当強いマグネットを持つ店なのです。

この7回転どころか、
10回転もしている店が多いチェーンがあります。
名古屋、岐阜を中心に230店舗以上を展開している
「コメダ珈琲店」がそれです。
コメダ珈琲店の小さい店は20坪40席前後から
最近はロードサイドで300坪〜500坪の敷地で
一戸建てのりっぱな100席を越える店が多くなって来ました。

商品の種類と売り方は極めて簡単です。
360円のコーヒーを柱に、
コーヒーに一緒に食べ、飲むものに絞った
フードメニューとデザートメニューです。
しかもフードメニューには
ライスやパスタメニューがないのです。
あくまで基本はコーヒーのお客様なのです。
売上げが低くなってくるとすぐフードメニューや
セット販売をした喫茶店とは
全く異なる販売戦略を採った事が
成功したポイントです。


『老若男女、このマーケットを忘れた
絞り込み型のマーケット戦略は最盛期が短い。
繁盛はその長さの優劣である』


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