第51回
タイムリミット150日の記録 その6
150日前 大手チェーンの出店企画書

新規事業の責任者に決った松井さんの元に
斎藤さんと云う27才の男子社員が配属されて来ました。
何と斎藤さん自身からの志願と聞いて
松井さん胸が熱くなりました。

斎藤さんは学生時代、
大手のセルフサービスカフェで働いた経験があり、
自社でカフェ事業を自ら行うと聞いて
ぜひやりたいと思ったと云います。
桃太郎には犬、猿、きじと云う3人の
忠実、知恵、勇気を持つ部下がいます。
水戸黄門には助さん、格さんがいます。
自らを支えてくれる部下が出来て事業はうまく行くのです。

斎藤さんとの第1回目の会議は
現状のカフェ事情の情報交換から始まりました。
そこで松井さんは重要な情報を得たのです。
恵比寿は都内でも有数の喫茶人口があり、
斎藤さんがかつて働いていたチェーンでも
最重要地域の一つと聞いた事があると云う話でした。
さっさく専務のもとにかつて提案された
大手チェーンの出店企画書を見ると、
びっくりする様な計画書だったのです。

1日の来店客数1000名、客単価360円、飲食の売上は1日36万円、
これにコーヒー豆の挽き売り等の売上が
4万円あり1日40万円。
土・日・祭日でも30万円の売上が望めるとあるのです。
1日1000名の根拠となるのは
松井さんの店の前に1日30000人の人が通り、
その顧客吸引率は朝と夜の全時間帯の平均で
3%強となるからだと予想してあったのです。
しかもこの数値は開業して
2ヶ月后に達成されると書いてあったのです。
セルフサービスカフェの業態が
松井さんの頭にインプットされた瞬間でした。


『成功にフロック(まぐれ)はない
 そこにはセオリーがある』


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