第67回
ストアコンセプトの実際 その12
105日前 競合店の情報はこう調べる(2)

親切な沼子さんは、
松井さんの熱心な行動に感動を受けました。
あらゆる公式資料(電話帳から白書、公文書、調査資料等)を
インプットした自慢の市場調査システムも
最後には人の判断と決断で決まると共感したのです。

沼子さんは、松井さんの為に
3枚のコピーをプレゼントしました。
それには、恵比寿の街のカフェ、飲食店、
コンビニエンスストアの所在だけでなく、
何とコンビニエンスストアのレジ台数まで記載されていました。
そして沼子さんは松井さんに
競合店の調査ポイントを次の様におしえてくれたのです。

競合店の調査の最も基本は
各時間別の入店数を実際にカウントするのが一番良い方法で、
平日なら2日行い、繁忙する土日祭日で2日
計4日行うのがベストです。
もしそれが出来ない場合は、
朝一番に入店し伝票の番号を調べ、
その日の閉店近くに入店し
その伝票の番号を調べます。
一日に使われたレジの回数がこの結果分かります。
このレジスター台で挽き売り等の物販も
一緒にカウントされていたら
最大5%をその回数から除去します。

次に1回のレジで何人が利用しているかを推定します。
セルフサービスカフェは1人のお客様の利用が多いので、
1回のレジでは1.2人が平均と考えると良いと思います。
住宅地なら1.3、繁華街なら1.3〜1.4とこの指数は変化します。
これでおおよその客数が分かります。

次に客単価ですが、
これはセルフサービスカフェの場合は、
ドリンク平均単価+(フード・デザート平均単価×0.5〜1.0)
と考えます。
この0.5〜1.0はフード・デザートの
ドリンクに対する買い上げ点数です。
この結果この店の売上は
(700枚×95%)×1.2×(230円+250×0.5)=
798名(客数)×355円(客単価)=283290円(飲食売上)
と推定出来るのです。


『競争は1番から最後までのゲーム
競合は必要数しか生き残れないイス取りゲームである』


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