第114回
いよいよ秒読み開店へ その4
15日前 何とモーニングサービスと
      ランチBOXがあるセルフカフェ

当初、松井さんは昼のコーヒーの価格を
250円、夜は600円にしようと考えていました。
しかし、前回お知らせした通り、
「サービス格」がまだまだ自分の店に足りないと感じ、
昼のコーヒーの価格を200円でスタートする事にしたのですが、
その価格を決定する決め手になった出来事が
実はもう1つあったのです。

内装工事の立ち合い現場に立ち寄った松井さんの所に、
親会社の方が近寄ってきました。
営業部にいた先輩です。
その先輩が松井さんに尋ねました。
「なあ、松井君。今度オープンするこの店には
モーニングサービスはあるのか?
熱いコーヒーとふっくらとしたトースト、
温かいボイルエッグだぞ」

先輩があまりに真剣に尋ねてくるので松井さんは、
「この店はセルフカフェなので、
マクドナルドや喫茶店にあるセットメニューはありません」
と答えることが出来ませんでした。
「検討します」と答えました。

翌朝、改めて松井さんは
オープンする店の前を行き交う人々を観察してみました。
急ぎ足で歩く人達に、
何か元気さを感じることができないので驚きました。
その理由は、おそらく出勤に間に合うギリギリの時間まで寝て、
朝食をとらずに出勤している人が多いからだと思いました。

松井さん、ふと視線をずらして見ると
さらに驚きました。
何と店の前にあるハンバーガーショップで
モーニングメニューを購入しようと、
人々が列をつくっています。

立地調査の時は
歩く人の数ばかり気にしていたので、
ライバル店のコーヒーとパンと玉子料理が、
人々が列をつくるほど売れていることを
知らなかったのです。
改めて調べて見るとライバル店の売れ筋商品は、
モーニングメニューだったのです。

松井さんは確信しました。
モーニングメニューは絶対必要だ。
充実したモーニングメニューは、
この街で働く人への心と体のエネルギーの提供になる。
先輩の欲している、熱くたっぷりのコーヒー、
熱く厚く切ったこんがりのトースト、温かいボイルエッグ。
カフェの王道メニューは「元気商品第1号」として
登場することになりました。
更にランチタイムには店内でもテイクアウトでも食べられる、
オリジナルデリカに入れた「ランチBOX」も考案しました。



『好感度を上げるには
アイコンタクト・スマイリング・ストップモーション
この3つをきちんとする事である』


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