弁護士・高島秀行さんの
読んだらわかる訴訟の話

第10回
弁護士は裁判所の近くに

弁護士は、普通の商売と違って、
みなさんの住んでいる街中に事務所を構えていません。
これは、みなさんが弁護士を知らない
という大きな原因となっているような気がします。

普通の商売は、人の集まるところ、
駅前や繁華街の中に事務所や店舗を構えます。
だから、みなさんは、
身近に感じているのではないでしょうか?

ところが、法律事務所は、
かなり大きな街でも
駅前や繁華街にあるとは限りません。
弁護士のいる法律事務所は、
裁判所の側にあるからです。

普通の商売は、そこで物を売ったり、
サービスを提供したりすれば、終わりです。
だから、みなさんの来やすい場所である駅前や
繁華街にあるわけです。

ところが、弁護士の仕事は、
相談に乗って回答して終わりというものではありません。
どちらかと言えば、
依頼者の代わりに裁判所に行って
裁判をすることが仕事の大部分となります。
裁判所に提出する書類で、一刻を争うこともあります。
そこで、弁護士は、事務所を裁判所の近くに構えるのです。
弁護士会も、裁判所の近くにあります。

ちなみに、僕の事務所も霞ヶ関の裁判所から
徒歩10分のところにあります。
裁判所は、なぜか、駅前や繁華街にはありません。
それに伴って、法律事務所も
駅前や繁華街にあることは少ないのです。
みなさんも、裁判所の近くに行けば、
「法律事務所はこんなにあるのか」
「弁護士はこんなにいるのか」
ということが実感できるはずです。

僕の事務所は、弁護士ビルという
法律事務所ばかりが入居するビルの中にありますが、
この10階建てのビルには、
50以上の法律事務所が入居しています。


←前回記事へ 2003年10月2日(木) 次回記事へ→
過去記事へ
ホーム
最新記事へ