弁護士・高島秀行さんの
読んだらわかる訴訟の話

第20回
弁護士費用が払えない人は

相手方から訴訟を起こされたけれども、
弁護士費用が用意できない場合
どうしたらいいでしょうか?

(1) 相談した弁護士に交渉して、
   支払える額まで減額してもらう。
   あるいは分割払いにしてもらう。

   弁護士費用を減額するか、分割払いにするかなどは、
   弁護士にもよりますし、
   事案やあなたと弁護士との関係にもよります。
   でも、一度も弁護士費用を減額したことはない
   という弁護士はいないでしょうから、
   相談した際に、弁護士に自分の生活状態などを話して、
   交渉してみましょう。

(2) 法律扶助協会を利用する。

   法律扶助協会は、財団法人ですが、
   実際上は国の予算で運営されています。
   収入が少ない人が弁護士に
   訴訟を依頼することができないことにより
   不利益を被らないように、
   弁護士費用を減額した上で、
   弁護士費用の立て替えをしています。

   弁護士を選ぶことはできませんが、
   弁護士会の法律相談と
   担当している弁護士は変わりませんので、
   利用できるのであれば、利用した方が得です。

   ただ、収入の要件が、4人家族で、
   家族全員の年間の収入手取額合計が
   393万6000円以下で、金融資産や不動産などの
   目ぼしい資産がないこととなっています。

   それから、訴訟については、
   勝訴の見込みがなければなりません。
   負ける見込みが高い訴訟については
   国が費用を出してまで助ける必要はない
   ということかもしれません。
   立て替えですので、月1万円から2万円くらいの分割で
   返済する必要があります。

(3) 自分で訴訟をする。

   訴訟は、自分ですることもできます。
   ただ、契約のときにどんな話し合いだったかなどの
   事実関係の主張は自分でもできるでしょうが、
   それが法律のどれに当たるかは難しいかもしれません。
   事実関係に争いがなく、
   払わなければならない借金の分割払いの交渉などでは、
   自分でやっている人も多いです。


←前回記事へ 2003年11月6日(木) 次回記事へ→
過去記事へ
ホーム
最新記事へ