弁護士・高島秀行さんの
読んだらわかる訴訟の話

第41回
弁護士の能力の差を見分けるには

前回、弁護士の能力の差で、
訴訟や交渉の結果に差が出る
という説明をしました。

みなさんとしては、
どうしたら能力の高い弁護士を見分けられるか
ということを知りたいところでしょう。
実際は、能力の高い弁護士を見つけるのは
容易なことではありません。

というのは、弁護士の能力である法律や判例
あるいは業界慣習に関する知識は、
弁護士がどれくらい持っているのか目に見えないし、
客観的に検証するのが難しいからです。

また、その弁護士の思考方法や交渉方法、
訴訟での主張の仕方や作成する書面なども、
事件を依頼してからでないとわからないからです。

そこで、能力の高い弁護士を探すには、
著作やホームページから、
弁護士の関心の高い分野
あるいは知識を持っていそうな分野を
推測するほかありません。
著作がある弁護士については、
著作の内容については詳しいと考えられます。

弁護士の経歴に、
研究会や委員会に所属していた
という記載があれば、
弁護士がその分野に詳しい可能性があります。

それから、同じような事件を依頼して
うまく解決してもらったことがある知り合いに、
その弁護士を紹介してもらうという方法がよいでしょう。
あとは、実際に相談したり、依頼してみたりして、
確かめるほかありません。

余裕があれば、
1つの問題を複数の弁護士に相談してみたり、
問題毎に弁護士を変えたりするというのも
よい弁護士と会うための1つの方法です。

僕の顧問先や依頼者の中には、
これまでに、何人かの弁護士に相談したり、
依頼したりしてきたけれども、
やっと任せて安心できる弁護士に会えた
と言ってくれるところもあります。
(お世辞かもしれませんが、
 そう言ってくれる依頼者からは実際に相談や依頼が多いです。
 任せている理由が能力が高いからかどうかはわかりません。)
それくらい能力の高い、
あるいは信頼して任せられる弁護士を探すのは難しいようです。


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