弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第15回
不動産業者の誤算

サブリース契約で、
大手不動産業者が家賃保証しているのに、
賃料減額請求ができるか
という質問に対する回答の続きです

前回、説明したように、
サブリース契約は大家にとっては、
不動産の知識がなくても不動産業を営め、
しかも賃料は大手不動産業者が保証してくれて、
必ず一定額以上の家賃が入ってくるという点で
メリットがあり、不動産業者にとっても、
通常の管理や仲介よりも収入が多く、
しかも、自分の裁量で
収入を多くすることができるメリットがある
優れたシステムだったのです。

このサブリース契約は、
不動産業者が家賃保証をしていることから、
不動産業者が見込んでいる以上に、
賃料が下がらない、空き室が増えないということが
前提となっています。

日本では、バブル崩壊まで、
不動産は値下がりしないという
右肩上がり経済が続いており、
しかも、慢性の賃貸物件不足で、
賃料の値下がりや空き室の増大などは
考えられませんでした。
そこで、不動産業者も、
安心して家賃保証ができたのです。

ところが、バブル経済崩壊後、
右肩上がり経済は終了し、
家賃は急激に値下がりすることとなったのです。
不動産業者は、
賃借人は家賃が高ければ入居しないので
賃料を下げざるを得ません。
しかし、大家に家賃を保証しているので、
大家には高い家賃を支払い続けなければなりません。
サブリース契約が成立する前提は崩れたのです。

不動産業者も、当初は約束なので、
保証した家賃を払い続けていたのですが、
不動産の値下がりにより、他の事業収入も減り、
損をしても大家に保証した賃料を
支払う余裕がなくなってきました。

そこで、遂に、不動産業者は、大家に対し、
賃料減額を求めるに至り、
当然、大家は、家賃保証を理由に、納得せず、
日本各地で、サブリース契約を巡る賃料減額の裁判が
起こったのでした。


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2004年11月30日(火)

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