弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第45回
過払金を巡る攻防

前回、サラ金などの貸金業者は、
利息制限法を超える利率でお金を貸しているので、
長期間返済した後に、
利息制限法の利率で計算し直すと、
借金がなくなっているばかりでなく、
払いすぎたお金を返してもらえるという
過払金返還請求権の説明をしました。

しかし、貸金業者も、
契約に定めた利率で利息を払ってもらう、
即ち、利益を上げているので、
利息制限法による利率によって計算し直されると、
それだけ利益が少なくなりますから、
簡単には応じません。

過払金の返還は、
一度売上として計上したのに、
後から売上を取り消して返還することですから、
貸金業者の経営に与える影響は大きく、
なおさら抵抗します。

そもそも、なぜ、
サラ金などの貸金業者が
利息制限法の利率より
高率の利率を契約で定められるのでしょうか?

これは、利息制限法が、
利息制限法の利率よりも
高率な利率により利息を取ったとしても、
返す方(債務者)が任意で支払った場合には、
その返済は有効だとしていることにあります。

この貸金業者に対する利息制限法より
高い利率での返済が有効となる場合については、
貸金業法43条で、
1.貸金業者が貸金業の登録をしていること
2.借主が任意に支払ったこと
3.お金を貸すときと、返済を受けるときに、
  法律で定められた書面を渡すこと
という要件が定められています。

みなさんが、自分で、
返済金を利息制限法の利率で計算し直して
過払金の返還請求をしようとしても、
貸金業者が、
「うちの契約は法律の要件を満たしているから、
 利息制限法の利率による引き直し計算はできませんし、
 過払いなど発生しません。」
と相手にしてもらえないかもしれません。

もし、交渉に応じてくれたとしても、
みなさんの知識の不足に乗じて、
少しだけ利息を負けて納得させるなど、
ごまかされてしまうことが多いようです。


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2005年3月17日(木)

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