弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第226回
同族会社のメリット・デメリット

同族会社と言えば、
創業者一族が、会社の株の大半を持ち、
社長を始めとする役員も
一族から選出される会社のことです。
上場していない中小企業のほとんどは、
同族会社でしょう。

実は、上場している大企業でも、
会社の株の大半を
創業者一族が持っている同族企業があるんです。
証券取引所の基準で、
70%以下ならば、
創業者一族が
株式を持つことが許されているからです。

今、騒がれている不二家も
上場していますが、
同族企業だと言われています。
みなさん、同族企業というと、
閉鎖的で、創業者一族の
やりたい放題という
マイナスイメージがあると思います。
現に、不二家も、同族企業だから、
閉鎖的で、今回の不祥事について、
隠蔽していたと言われています。

確かに、同族企業では、
創業者一族が経営責任を
追及されることは滅多になく、
その支配が継続することから、
従業員も、創業者一族が
誤ったことをしていても、
これを正しにくい状況があると思います。
正そうとすれば、
社長一族に逆らったということで、
その後、社内で、
厚遇されることはないでしょう。
むしろ、冷遇されるか、
会社を辞めざるをえない
状況に追い込まれることの方が多いでしょう。

そこで、創業者一族の経営が長引くと、
会社にはイエスマンの従業員ばかりになってしまいます。
しかし、会社経営としては、
少々リスクがある行為をしたり、
一時的に業績が悪くなったりしても、
経営責任を追及されることはないですから、
思い切った改革や
長期的展望に基づく施策を
取りやすいという面もあるのです。
すかいらーくが、MBOにより、
上場を廃止したのは、
長期的展望に基づき、
一時的に業績が悪くなる改革や
施策を取るためだと言われています。
要するに、同族会社の経営は、
良くも悪くも
経営者次第と言うことになるのです。


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2007年1月23日(火)

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