弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第235回
裁判にかかるお金

みなさんが、裁判(訴訟)を起こす、
あるいは起こされたときに、
一番関心があるのは、
裁判の勝ち負けの見込みだと思いますが、
その次に関心があるのは、
裁判する場合
いくらお金がかかるのかということだと思います。
 
裁判にかかる一番大きなお金は、
弁護士費用です。
裁判をする場合の弁護士費用は、
以前は、弁護士会が基準を決めていたので、
どの弁護士も同じ金額でしたが、
今は、弁護士会の報酬基準がなくなったので、
弁護士毎に弁護士費用の決め方を
変えてよいこととなっています。

ただ、そうは言っても、
これまでの基準を参考に
決めている弁護士は多いと思います。
僕も、従前の弁護士会報酬規程を参考にして
作った基準により弁護士費用をいただいています。
興味のある方は、僕のホームページを見てみてください。

基準によれば、1000万円の請求で、
最初に支払う着手金が59万円(税別)、
1000万円の回収ができたら118万円(税別)となります。
この基準を参考に、事案が簡単か、難しいか、
請求金額はいくらか、
相手からお金を回収できるかなどを考慮して、
減額したり、増額したりします。

その他に、訴えを起こす場合には、
裁判所に収める印紙代
(請求金額によって変わります)や
切手代(相手が何人かで変わります)、
事案によっては、会社の登記簿謄本や
不動産の登記簿謄本、
評価証明、戸籍謄本などを取得する費用がかかります。

1000万円の請求で、
印紙代は5万円、
相手方1人のときで切手代は6400円です。
印紙代、切手代は、
裁判を起こす方が裁判所に支払い、
裁判を起こされた方は、
裁判所に、印紙代、切手代を払う必要はありません。
建築や医療などの争いでは、
建築士や医師などの専門家に
鑑定をしてもらう鑑定費用もかかります。
証人尋問をした場合に、
その証言を裁判所で記録にとってくれます。
このコピー代
(事案によりますが、大体数千円です)もかかります。

このように、裁判をするには、
結構、お金がかかります。
でも、裁判が無料あるいは安くできると、
それはそれで、通らない請求でも
無理に起こす人が出てくる可能性があります。


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2007年2月22日(木)

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