弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第395回
負ける裁判を引き受けるか?

みなさんから、
負ける裁判(負ける見込みの高い裁判)を引き受けるのか
ということを聞かれることがあります。

裁判をしたら負ける可能性が高い場合でも、
弁護士は事件を引き受けることはあります。

まず、負ける可能性が高くても、
裁判をすれば勝つ可能性もあるケースです。
このケースでは、判決で最終的に勝つ可能性もあるし、
有利な部分を考慮して、
勝訴と同じような和解ができるかもしれないからです。

次に、最初のケースとは異なり、
勝ち目がないケースです。
この場合は、相手の言い分を認める、
認めないは別として、支払額を減額してもらうか、
支払方法を分割にしてもらう
という内容の和解をすることを目的にします。

支払額の減額や分割払いの交渉は、
みなさんでもできますが、
弁護士の方が交渉に慣れていることから、
自分ではしたくないので
代わりに交渉して欲しいと依頼されれば
依頼を受けることになります。

ただし、裁判としては、
全く勝ち目がないので、
相手がどうしても和解しないと言えば、
減額してもらったり、
分割払いにしてもらったりすることができないリスクはあります。

最後に、弁護士が悪いケース。
よく考えれば勝てる見込みがない
(勝てる見込みが少ない)にもかかわらず、
弁護士が、依頼者に裁判をやれば勝てると説明して、
依頼を受けてしまう場合があるようです。

あるいは、100万円くらいしか
判決で認められる見込みがないのに、
500万円くらい取れると説明して
引き受けてしまう場合があるようです。

弁護士費用は、一般的に請求金額で決まるので、
高く請求する事件の方が
弁護士費用をたくさん取れることになるのです。

弁護士の中では、ほんの一部だと思いますが、
このような弁護士がいると聞きますので、
みなさん、気をつけましょう。

ただ、勝てる見込みがないのに
勝つ見込みがあると言われても、
法律について知識経験のないみなさんが、
弁護士が嘘を付いていることを
見抜くのは難しいと思います。


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2008年10月2日(木)

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