弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第402回
養育費の支払いを確保するには

以前、日経新聞に、離婚後の養育費の支払いがなされず、
国が作った機関による支援活動も
うまく行っていないというような記事が掲載されていました。

相手が任意に支払わない場合の養育費の支払い確保手段も、
法的には、貸金や損害賠償請求権と同じように、
相手の財産を差し押さえる他ありません。

勤務先がわかっていれば、
給料を差し押さえることができます。

しかし、差し押さえ後に、その勤務先を辞めてしまうと、
新しい勤務先を調べて、
新しい勤務先の給料を差し押さえなければなりません。

任意に養育費を支払わず、
差し押さえ後に勤務先をやめてしまうような相手が
新しい勤務先を教えてくれるはずもありません。

離婚して音信不通になった相手の勤務先を調べるとなると、
これはまた大変なことです。
遠方に住んでいたとすれば、なおさらです。

養育費の未払いで困っている人が勤務先を調べるのに
探偵を雇う余裕はないのが普通です。

また、自営業だと、会計処理を操作して、
自分が給料をもらっていないように細工することも考えられます。

もちろん、本当に儲かっておらず、
給料が自分の生活でやっとという人も、
養育費の未払いのケースでは、多いかもしれません。
だから、養育費の支払いを確保するためには、
父親がまともな勤め人など、安定した収入を得ている人か、
自分の生活を犠牲にしてでも
子供に養育費を支払おうとする
責任感の強い人であることが一番です。

そうでないケースで、
なかなか、法的手段で支払いを確保することは難しいです。

日経新聞によれば、
養育費を支払わないと罰則がある国もあるようです。

本来、市民と市民の問題なので、
国が一方に手を貸すのはどうかという問題はありますが、
少子化の時代でもあり、子供の生活もかかっているわけですから、
既に生まれた子供が健やかに育つよう国が、
養育費を支払わない父親の財産状況や収入を調べて、
払う余裕があるにもかかわらず、支払わない場合には、
罰則を科すということでもよいかもしれません。


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2008年10月28日(火)

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