弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第424回
内容証明郵便を出したい

相手がお金を支払ってくれないとき、
相手とトラブルになり、
こちらの言い分を言いたいとき、よく内容証明郵便を出したい、
あるいは、内容証明郵便で出した方がよいかと相談を受けます。

みなさん、内容証明郵便には、
何らかの法的な力があると思っている方が多いようです。

実際は、内容証明郵便は、
郵便局が手紙にどのような内容が書かれていたかを
証明してくれるというものです。

だから、内容を証明する郵便ということで、
内容証明郵便なのです。

内容を証明するといっても、
内容が真実であることを証明してくれるわけではありません。
お間違えのないように。 

内容証明郵便が意味を持つのは、
主に、賃貸借契約を賃料不払などを理由に解除するときです。

また、債権やゴルフ会員権を買ったときは、
内容証明郵便で譲渡通知を出してもらわないと
権利を失うこともあるので、法律上意味があります。

内容証明郵便による請求は時効を中断する効力もあるのですが、
これは6ヶ月以内に訴訟を起こさないと
時効を中断する効力もなくなります。

このように、内容証明郵便が
法律的に意味を持つ場面は少ないのです。

しかし、今のところ、内容証明郵便は、
特殊な郵便であることから、
何らかの法的効力があるのではないかと
一般の方は思っているようです。

だから、相手がお金を払ってくれないときや
トラブルで自分の主張を言いたいときに
内容証明郵便で送りたいと思うのでしょう。

同様に、相手も、内容証明郵便が来ると
何らかの効力があると思っている場合がありますから、
お金を請求するときは
内容証明郵便で出してみたらよいと思います。

ただ、自分に不利なことを言ってしまうと、
証拠として残ってしまいますので、その点は注意してください。


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2009年1月15日(木)

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