弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第449回
前払いはリスク

普段の生活で、代金を前払いにしなければならないもの、
後払いでいいものがあると思います。
みなさんが、個人で、商品を購入したり、
サービスを受けたりする場合、全額前払いだったり、
一部前払いというケースが多いと思います。

それは、事業者の方の立場が強い、というか、
商品やサービスを提供するかしないかの選択権を
持っているからです。

代金が後払いだとすると、当然、
事業者が商品やサービスを提供した後に、
みなさんがお金を払うことになります。
しかし、後払いだと、みなさんが、
商品やサービスを受けておきながら
お金を払わない可能性もあります。

そうすると、事業者は、代金を取り立てるために、
督促したり、裁判をしたりしなければならず、
労力や費用がかかってしまいます。
挙句の果てに代金を取り損ねる可能性もあります。
そうなると、事業者は、
商品やサービスの分がまるまる損となってしまいます。

逆に、代金が前払いだとすると、
商品やサービスが受けられないときは、
払った代金が損になってしまう可能性があります。

商品やサービスが不完全である可能性があります。
また、代金を前払いした後に会社が倒産してしまえば、
商品やサービスが受けられず、
代金も返してもらえないことになります。

このように、代金が前払いか、後払いかで、
どちらがリスクを負うのかが違ってきます。

代金の前払いの場合は、
みなさんが、事業者がきちんと商品やサービスを
提供しなかった場合のリスクを負っているわけです。

自動車学校、語学学校、建設会社やリフォーム会社など
多額の代金を前払いで受け取っておきながら、
倒産してしまう事業者は結構あります。

前払いはリスクがあるということに注意してください。
と言っても、前払いをしないと、全く欲しい商品が手に入らない、
サービスが受けられないということにもなりかねません。
そういう意味で、前払いしても倒産しない、
あるいはきちんと商品やサービスを提供してくれる
信頼できる事業者を選ぶことが大切になってきます。


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2009年4月16日(木)

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