弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第462
競売物件が増えている

朝日新聞によれば、
この不況により住宅ローンを支払えない人が増えて、
住宅が競売にかけられるケースが増えているようです。

競売物件については、以前は、一般の人に馴染みがなく、
なかなか売れないものでした。

そこで、購入者にとって、利回りが大きい、
あるいは、良い場所にあるのに値段が安い、
といったメリットが大きい物件もありました。

ところが、バブル崩壊後、そこに目をつけて
競売物件を専門に取り扱う
不動産業者が参入するようになりました。

この不動産業者は、自分で落として転売するものと、
競売の記録を見て、一般の人がなかなか難しい物件の状態や
占有者が明渡す見込みがあるかなどを調査するなどして、
一般の人が競売で落札することを支援して
手数料をもらうものがあります。

また、裁判所も、競売物件の売却を促進するために、
インターネットに情報を公開するだけでなく、
新聞に広告を出すようになりました。

新聞に掲載されるのは、競売物件の最低入札価格で、
おおよそ時価の7掛けですから、
新聞を見た一般の人は、これで買えるなら安いと思い、
競売物件を買おうとする人も増加したのです。

サブプライム問題が起きる前の2、3年は、
未にバブルと言われるように、不動産投資が活発でしたから、
競売なのに、競売でない通常の取引価格、
ときにはそれを上回る価格で、
売却されるくらいになっていました。

(競売物件は、売主が建物や土地の問題について、
原則として責任を負いませんから、
通常の売買よりも買主のリスクは高いので、
価格は安くないと割りに合いません。)

時代は、再び不況になり、
競売物件も増えてきたということですが、
競売物件は、再び買主に
メリットが大きい物件が増えてくるのでしょうか?

僕は、借金の整理や相続関係、借地問題などで、
不動産の売却に関与しますが、
最近は、本当に物件がなかなか売れないです。


←前回記事へ

2009年6月4日(木)

次回記事へ→
過去記事へ
ホーム
最新記事へ