弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第542回
占い師が口止め料を請求!

元プロ野球選手が、不倫に関して、
占い師から、女性と別れさせるためのアドバイス料と、
仕事先関係各位への口止め料を請求された
という報道がされました。

占い師は、人の悩みを聞いて占うのが職業ですから、
その悩みを第三者に漏らさず、
秘密を保持することが前提となっているはずです。

それにもかかわらず、
秘密を漏らされたくなければお金を払えというのでは、
占い師に安心して、自分の悩みを相談できません。

この報道が、本当なら、とんでもない占い師ということですし、
同業者の信頼を著しく損なうものだと思います。

報道が事実であれば、
恐喝罪に該当する可能性があるような気がします。

そもそも、占い師は、資格があるわけでもありません。
職業の性質上、守秘義務があるとは思いますが、
法律上、守秘義務があるとは決まっていません。

仮に、守秘義務に違反したとしても、
資格を失うこともないので、
このような行為をすることに抑制が働きません。

これに対し、弁護士には、法律上、守秘義務があり、
弁護士が依頼者に口止め料を請求したら、
弁護士の職業の根幹を揺るがすものですから、
弁護士資格を失うことになるでしょう。

そもそも、占い師は、占うことが仕事で、
紛争解決のアドバイスをしたり、
紛争解決の仲介に入ったりすることは、
仕事ではないはずです。

有料で、紛争解決のアドバイスをしたり、
紛争解決の仲介に入ったりすることができるのは、
弁護士法で、基本的に、
弁護士しかできないことになっています。

紛争解決についてのアドバイスを受けたり、
紛争解決の依頼をしたりするのであれば、
弁護士に依頼するようにしてください。


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2010年4月1日(木)

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