弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第546回
ドラマ「特上カバチ」に弁護士会が抗議

以前、弁護士会が、NHKのドラマで、
行政書士が離婚調停となっている
離婚に関する法律相談を受けていたことについて、
視聴者が、行政書士が紛争となっている離婚に関して
法律相談をすることができると誤解するという理由で、
抗議を行っていたことを取り上げました。

今度は、TBSの「特上カバチ」というドラマで、
行政書士が示談交渉を行う場面があったという理由で、
弁護士会がTBSに抗議しました。

TBSは、これに対し、
「弁護士と行政書士の仕事の区分について説明しており、
誤解を招く内容ではないと考えていると言っている」ようです。

行政書士は、
書面の作成に必要な範囲で法律相談を行うことはできますが、
本人を代理して
紛争解決のための示談交渉をすることはできません。

このドラマについては、
僕も一部について見ましたが、
主人公である行政書士補助者が本人を代理して、
相手本人や相手の行政書士と
交渉していた場面があったような気がします。

一部しか見ていないので、
弁護士と行政書士の仕事の区別について、
いつどのような説明があったかは、わかりませんでした。

おそらく、法律知識のない視聴者は、
行政書士は弁護士と同じように
紛争を代理交渉して解決できると思ったと思います。

また、弁護士になるのは難しいので、
行政書士になって、
ああいうことをしたいと思った人もいるかもしれません。

ドラマはフィクションなので、
どこまで法律などに忠実にするかは、
なかなか難しい問題だとは思いますが、
テレビは、みなさんに対する影響が大きいですからね。

弁護士会がこうやって抗議をするのは、
やむを得ないかもしれません。

みなさんには、紛争解決の相談及び依頼は、
弁護士にするようにして欲しいと思います。

前にも言いましたが、
弁護士以外の資格者だからと言って、
必ずしも費用が安いわけでは無いようですし、
弁護士以外の資格者は、紛争解決のための相談に乗ったり、
代理をして交渉したりすることが許されていないことも多いです。
ご注意ください。


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2010年4月15日(木)

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