弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第572回
有名なたこ焼き店に立退判決

大阪の有名なたこ焼き店が、
市有地を不法占拠していたとして、
大阪市から、市有地からの立ち退きを求められていた件で、
最高裁は、たこ焼き店の主張を認めなかったことから、
たこ焼き店に対し、市有地の明け渡しと、
賃料相当額の支払いを認めた判決が確定しました。

たこ焼き店の言い分は、
20年以上使用してきたから、
時効取得により自分のものとなったということと、
市は今まで長期間に亘り明渡せとも言ってこなかったことは
もちろん、食品衛生法上の営業許可を出していたし、
さらには、市の観光情報を案内するホームページでも、
このたこ焼き店を紹介していたことから、
たこ焼き店の権利を認めていたもので
明け渡しを求めるのは権利濫用だということを主張していました。

確かに、法律上は、微妙なところもありますが、
このたこ焼き店は有名で儲かっていたと思うので、
賃料くらい払えば良かったと思うのですが、
これまで無償で使っていたから、
永久に無償で使用できるというのは、
ちょっと虫が良すぎるような気はします。

しかし、時効というのは、
真実がどちらかは関係なく、
一定の事実状態が継続した場合は、
その状態を変更せずに尊重しましょうという制度なので、
たこ焼き店の主張が、虫が良すぎると思うのは、
時効という制度が、
虫が良すぎる制度だからで仕方がないことではあります。

今回は、たこ焼き店の方が敗訴しましたが、
事案によっては、
時効取得が認められてしまう場合もあります。

他人が自分の土地を黙って使用していた場合は、
後から、時効取得を主張される可能性があります。

気が付いたら放っておかず
何らかの対処をした方がよいと思います。


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2010年7月29日(木)

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