弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第603回
売掛金を借金の形に取る

前回、貸付金や売掛金といった債権も
法律上売却できる財産なのに、
債権譲渡があまり利用されていない理由についてお話しました。

しかし、みなさんが、積極的に、
他人の債権を買わないとしても、
相手に対し、貸付金や売掛金を持っていて、
相手がそれを支払ってくれない場合には、
相手が持っている貸付金や売掛金により、
回収を図ることを考えてもよいと思います。

例えば、X社がY社に対し、
500万円の売掛金を持っているとします。
Y社は、優良企業であるA社に対し、
商品を毎月卸しており債権を持っているとします。

その場合、このY社のA社に対する売掛金を担保として、
あるいは、支払いの代わりに
譲り受けるという方法が考えられます。

前回書きませんでしたが、
債権譲渡がなされない理由には、
売掛金を譲渡すると、取引先(上のケースではA社)に、
資金繰りに困っている危ない会社と思われて
取引を打ち切られてしまう可能性があるということもあります。

借金や買掛金が払えず、売掛金を譲渡したとなれば、
取引先の信用が失われることは間違いありませんから、
Y社は抵抗することが考えられます。

債権譲渡するには、前回お話したとおり、
内容証明郵便で、
Y社からA社に対し、譲渡通知を出さなければならないので、
債権譲渡がA社にわかってしまいます。

そこで、どうするかというと、債権譲渡について、
登記をするという方法があります。

そうすれば、Y社からA社に
債権譲渡通知を出さなくても済むので、
A社に債権譲渡したことがわかりません。

相手が、売掛金や貸付金について、支払わない場合には、
相手の売掛金などの債権を譲り受けて、
回収する方法もあるということを覚えておいて
損はないと思います。

実際、金融機関も、債権譲渡登記の制度ができてから、
売掛金などを担保にお金を貸すこともしています。

だから、みなさんも、
お金を貸すときや取引をするときに担保として、
売掛金の譲渡を受けるという方法もあります。


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2010年11月18日(木)

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