弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第615回
面白い事件はありますか?

あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

さて、弁護士をしていると、
飲み会の席などで、
「過去取り扱った事件で面白い事件はありますか?」
と聞かれることは、結構あります。

弁護士は、個人や会社のトラブルを扱うので、
普通の人が知らないことを知ることができ、
その中には、普通の人には面白いことがあるのではないかと、
みなさん思うのでしょうね。

確かに、他人事として、興味本位で、
他人の悩みや裏事情を聞くのであれば、
面白いと思うかもしれません。

特に、みなさんが興味を持つと思われる
男女のトラブルや有名人の事件などは。

しかし、弁護士は、仕事として、
依頼者や相談者の話を聞きますから、
法律上、依頼者の主張が通るのか、
その裏づけとなる証拠はあるのか、
依頼者はどのように行動するのが一番メリットが多いか、
あるいは、リスクが少ないかなどという観点から話を聞きます。

そして、事件の依頼を受ければ、勝てるのかどうか、
依頼者の利益は守られるかどうか
ということを気にしながら仕事をします。

そこで、弁護士の仕事として面白いと感じることはあっても、
普通の人が期待する面白いと思うことはあまりないのです。

ということで、
「過去やった事件で面白い事件はありますか?」
と聞かれても、残念ながら、
あまりみなさんの期待に応えられるような答えは出せないのです。

多分、テレビで面白おかしく取り上げられている事件でも、
当事者の弁護士は、面白い事件だとは思っていないと思います。

それに、弁護士には守秘義務があるので、
個別具体的な情報は、みなさんに話せませんしね。

では、今年もよろしくお願いします。


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2011年1月1日(土)

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