弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第647回
請求されている方から訴える?

裁判というのは、基本的に、
相手に、お金だったり、
明渡だったりを請求する方が起こします。
裁判を起こすには、お金も、手間もかかります。

そこで、裁判を起こさないと、
貸したお金を払ってもらえない、
あるいは、裁判を起こさないと
貸している部屋を明け渡してもらえないというように、
不都合が生じる方、
即ち、請求している方が裁判を起こすわけです。

では、請求を受けている方は、
裁判は起こせないかというとそうではありません。

相手がこちらに請求しているけれども、
相手の請求権は存在しない。

あるいは、相手は、1000万円の請求をしているけれども、
支払うとしても100万円しか支払う必要がない。
という場合には、
請求を受けている方が、
相手の請求権は存在しない。

あるいは、
相手の請求権は100万円しかない。
という内容の裁判を起こすことができるのです。
これを「債務不存在確認の訴え」と言います。

ずっと、揉めている状態、
あるいは、はっきりしない状態が続くのが嫌だという人には、
こういう方法の裁判で解決することができます。

しかし、相手が裁判を起こさない理由は、
(1)裁判には、費用と労力がかかる。
(2)裁判まですることに踏ん切りがつかない。
(3)裁判を起こしても勝てる見込みが少ない

などが考えられます。

そうだとすれば、せっかく、相手が裁判をせずに、
このまま、うやむやになってしまう可能性があるのに、
こちらから裁判を起こせば、
相手も仕方がないと踏ん切りをつけて
徹底的に争ってくる可能性があります。
言わば、「寝る可能性のある子を起こす」ようなものです。

そこで、この債務不存在確認の訴えについては、
請求権の有無をはっきりさせないと、
嫌がらせをしてくる民事介入暴力や
ストーカーのような人に対しては、
債務不存在確認の訴えを起こすことで
事件が早期解決することがあるのでお勧めしますが、
その他の場合には、あまりお勧めしていません。


←前回記事へ

2011年4月26日(火)

次回記事へ→
過去記事へ
ホーム
最新記事へ