弁護士・高島秀行さんが紹介する
事前に備える賢い法律利用方法

第660
人を採用するのは難しい

バブル崩壊後、
ミニバブルで少し経済が戻ったと思ったら、
リーマンショック、今回の震災と、日本経済にとって、
あまりよくない状況が続いています。

そういう中で、給料減額、整理解雇、
残業代の不払いなど労働に関する紛争が増えています。 

僕は、顧問先など会社側の立場で、
労働者の問題にかかわることが多いのですが、
労働に関する紛争の場合、従業員に問題のあるケースも多いです。

過去の経歴や能力、仕事の仕方などからすると、
その会社に正社員として採用されることや
その給料の額をもらうことを、
ありがたく思わなければならないような人も結構多いです。

そんな人は、最初から採用しなければよいのですが、
これがなかなか難しいのが現実です。

人の能力ややる気、性格、生活習慣などは、
就職の際の履歴書や面接では、わからないからです。
履歴書や面接から得られる従業員の情報は、
資格や卒業した学校など以外は、
全て、従業員が自分で思っている従業員の評価だからです。

特定の仕事ができるか、経験があるかなど、
面接時に聞いたとしても、
そもそも、従業員は、採用されたいので、
「できる」と回答しがちです。

経験があるとしても、その仕事を主体的に、
自分が中心となってやっていたのか、
単に補助として関与していただけなのか、
同じ会社で見ていただけなのか、
本人の言葉だけではわかりません。
少ししかかかわっていなくても、
本人は、面接のときにその仕事をしたことがあるし、
できると回答したりするのです。

また、自分に対する評価が甘い人ほど、
自分が「できる」と思っていることが多いです。
採用してやらせてみて、
それは「できる」と言えないということがわかるのです。

仕事をミスしたときに言い訳ばかりして改善できない、
仕事のミスを隠したままにしておく、
忙しそうにしてはいるけれども仕事はなかなか進まないなど、
従業員がそんなことをする人間だなんて、
採用面接時には、わからないことばかりです。

特に、この人を従業員として採用したら
会社のお金を横領するかなんて、
採用面接時にはわからないものです。

本当に人を採用するのは、難しいと思います。


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2011年6月14日(火)

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