12月4日(水)
曇り、風力3以下
最高気温5℃、最低気温−2℃
霧は濃いし、昼も寒いし、北京の街は色を失っています

第15回
「このサービスならちょっと高くてもいいか」

CAの空中小姐に家畜扱いされて不愉快に感じるのは、
我々外国人と海外で良いサービスを受けた経験がある
ごく一部の中国人です。
一般の中国人のお客さんは何とも思っていない様です。
このギャップがサービス先進国・日本から来た我々に
巨大なビジネスチャンスをもたらしてくれます。

私は今後の中国ビジネスを展開する上で、
最も重要なキーワードは「サービス」だと思っています。
サービス業はもちろんですが、
製造業でも木目細やかなアフターサービスで
製品の付加価値を上げられるかが、今後の勝負を分けます。

今の日本は「下方への差別化」が出来るかどうかが、
生き残りのポイントになっています。
無駄なサービス、過剰なサービスを極力削ぎ落とし、
その代わり価格を下げます。
例えば、1,000円の床屋さんなどはそうです。
シャンプー、ブロー、顔そりなどのサービスは省き、
髪を切るサービスのみを提供する事により、
従来の1/4の価格を実現しました。

しかし、今後、中国ビジネスを展開するには
「上方への差別化」が必要です。
今までに無いサービス、他社が真似の出来ないサービスを行い、
付加価値を上げ、
顧客に「このサービスならちょっと高くてもいいか」と
思わせる事が重要です。
中国には既に「付帯サービスがほとんど無くて安いもの」が、
巷に溢れているからです。

そういえば先日、雑誌を見ていたら、
インタビューの記事で1,000円床屋チェーンの社長さんが
「今後は中国に進出したい」とおっしゃっていました。
確かに中国は13億人も人がいて、魅力的な市場ではありますが、
「安い床屋」は既にそこらじゅうにあります。

私の行きつけの「高級」理髪店は、
カット、シャンプー、ブローに
約30分の上半身マッサージが付いて25元(375円)です。
自転車に床屋道具を積んで、
公園や道端で店を開く移動床屋に至っては、
カットのみですが3元(45円)です。
日本企業が「格安」を武器に参入できる状況にはありません。

ここはむしろ「表参道のカリスマ美容師が、
あなたを濱崎歩(ぴんちーぶー、浜崎あゆみ)に変える」
などという売り文句で500元(7,500円)ぐらい取った方が、
かえってお客さんが集まるかもしれません。


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