第50回
日本には「投資大庁」はありますか?

独資会社や合弁会社の最低資本金は用意出来ないし、
中国の内資企業を設立する為の、
信用出来る中国人の友人もいない、
という方にも道は残されています。
外資の出資比率を25%未満にして、
正式に会社のオーナーとして名前を連ねる、という方法です。

しかし、この場合は出資比率が25%未満ですので、
法的に会社の主導権を握る事は出来ません。
更に、この会社は内資企業として扱われる為、
最低資本金は通常の中国企業と同様低いですが、
合弁企業や独資企業に与えられる優遇は無く、
利益を外貨で国外に送金する事も出来ません。
飽くまでも、出資比率に応じた配当を、人民元で受け取れる、
というだけのものです。

又、中国の内資企業で外国人が法人代表になる事も出来ます。
中国の会社では、総経理(社長)以下の役職は、
各会社の内部で話し合って、勝手に決めて良いのですが、
董事長(会長)だけは、
法人代表以外の人が名乗ると違法になります。
法人代表になると、董事長(会長)を名乗る事が出来ます。
しかし、出資比率は飽くまでも上記の原則通りであり、
董事長と言えども、会社の主導権を握る事は出来ません。
25%以上の出資をして、外国人が法的に会社の主導権を握るには、
やはり合弁企業又は独資企業の設立手続きが必要となります。

さて、会社設立の手続きには、
様々な政府機関への登録が必要となります。
北京市朝陽区で会社を設立する場合は、
東三環路の京広中心にある「朝陽区投資大庁」に行きます。

ここは、工商管理局、税務局など会社設立の為に
許可を取らなければならない政府機関の出先が集められており、
いちいち北京市の各所に散らばる政府機関の本庁を
回らなくても良い様になっています。
業種によっては許可が必要となる
環境保護局、公安局、経済貿易委員会などの出先もあります。
資本金を振り込む為の中国建設銀行や、
会社印を作る為の公安局公認のハンコ屋まで入っています。

これは投資促進の為に、
政府が会社設立手続きをする人に便宜を図ったものです。
日本で会社を設立した事は無いのでよく分からないのですが、
日本にはこんな便利な所は無いのではないでしょうか。


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