第52回
北京の新宿にオフィスを構える

さて、私は辞表を出し、退社の手続きを済ませ、
2001年9月末で丸紅を正式に退社しました。
35歳から45歳が働き盛りの黄金の10年である、
という私の考えに就いては、丸紅も同意見らしく、
45歳を過ぎて早期退職制度を使うと数千万円もらえる退職金が、
35歳の私には二ケタ万円しか出ませんでした。
資金計画には最初から退職金を勘定には入れていませんでしたので、
事業の開始には影響は無かったのですが、
この余りの差の大きさにはびっくりしました。

独立起業するに当たっては、
丸紅の既存の事業と競合する事が無い様、
細心の注意を払った事もあり、
非常に円満な形で退社させて頂く事が出来ました。
今でも、丸紅北京支店や本社からの出張者の方々と、
時々食事をしたりしていますし、
日本に帰る機会があれば、
丸紅のオフィスにお邪魔させて頂いたりしています。
以前の上司、先輩、後輩、同僚に会う度に、
ちゃんと会社を潰さないでやっているか心配して頂き、
激励の言葉を頂いています。本当にありがたい事です。

丸紅を退社した後、
私は幸福大厦という田さんのオフィスが入っているビルに
部屋を借りました。
この幸福大厦は東三環路に面した17階建てのツインビルで、
北京のオフィスビルの中では「中の上」ぐらいのグレードです
(幸福大厦の写真は、弊社ホームページ
にあります、ご参考まで)。

場所的には、「燕莎エリア」に属します。
北京の経済の中心は国際貿易ビルを中心とする
「CBD(Central Business District)エリア」ですが、
この「燕莎エリア」はCBDの北側に位置し、
空港高速道路の起点にも近いので、
北京の副都心的な位置付けになっています。
CBDが丸の内なら、燕莎は差し詰め新宿といった所でしょうか。

しかし、CBDや燕莎が、丸の内や新宿と違う所は、
住宅の比率が大きい所です。
確かに郊外に比べれば家賃は高いですが、
住宅の供給量が多いので、
東京都心部の様なとんでもない家賃にはなっていません。
「オフィスから歩いて5分の所に家を借りる」なんていう事も、
東京よりは現実的です。
ちなみに、邱さんが所有する高級マンション「三全公寓」も
この「燕莎エリア」にあります。


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