第55回
成功報酬ベースなら考える

会社を設立したら、次は、お客さんを集めなければなりません。
まずは、日本の中小企業を対象に、
「中国駐在員事務所代行サービス」の案内を送り始めました。
弊社の業務内容に興味を持って、
回答をくださる企業もあるのですが、
そのほとんどは
「最初から業務委託料を払うなんてとんでもない。
成功報酬ベースなら考える」というものでした。

最初は成功報酬ベースのお話はお断りしていたのですが、
このまま、当社の価値を分かってくれて、
ちゃんとサービスに対する対価を払ってくれる会社を探していたら、
資金が底を突いてしまう、と考え、
成功報酬ベースの案件も受ける事にしました。

但し、日本企業の製品を中国企業に売る、という話は、
値段が合わなかったり、資金の回収、
回収後の人民元の外貨への転換等、
様々な障壁がありそうでしたので、
中国の製品を日本に輸出する、という案件に絞る事にしました。

しかし、これが非常にお金が掛かります。
地方への出張旅費、サンプルの送付等々、結構な金額になりますが、
成功報酬ベースで約束していますので、
日本側に負担をお願いする事は出来ません。

中には、非常に大きなロットのサンプルを要求し、
こちらが数千元(数万円)掛けて送付したにも関わらず
全く回答が来ず、回答を催促する電話を掛けると、
「あれじゃだめだ」の一言で終わりになってしまう、
なんて言う案件もありました。

調査に労力を使い、
お客さんの要求に応じて、小さなサンプルを何回も送って、
中国側の工場には何度も改善要求をして、
やっとの事で大きなロットのサンプルの最終チェックまで
辿り着いた案件だった為、
数千元のサンプル送付費用は痛いですが、
ここで止めたら今までの苦労が水の泡になる、
と思ってサンプルを送りました。
しかし、その回答が「あれじゃだめだ」の一言です。

成功報酬ベースの場合、
お客さんは気に入ったものが来るまで、
全く腹が痛まない訳ですから、
自ずと要求が非常に厳しくなる訳です。
ちょっとでも気に入らない所があると、
「要らない」となる訳です。
こちらにしてみればパチンコと同じで、
もうちょっと突っ込めば、今まで損した分を取り戻せる、
と思って、どんどん泥沼にはまっていくのです。


←前回記事へ 2003年3月7日(金) 次回記事へ→
過去記事へ
ホーム
最新記事へ