第87回
北京留学のススメ

どうしても、中国語を話せる様になってから、
中国ビジネスを始めたい、と言われる方には、
北京に留学する事をお薦めします。
私の経験から言うと、日本でいくら学校に通っても、
話せる様にはなりません。
現地に来て、一日中中国語漬けの生活を続ければ、
非常に短期間で「使える」中国語を習得する事が出来ます。

丸紅には中国語留学制度があります。
毎年、北京には2-3人の留学生が本社から派遣されて来ます。
彼らは1年目は学校に通って、1日中中国語の勉強をします。
2年目は北京支店で働いて、実戦で中国語の能力を磨きます。
だいたい毎年来る留学生を見ていると、
ほとんど話せない状態で来ている人も、
1年間、みっちり中国語を勉強すれば、
何とか仕事で使えるぐらいの会話能力は身に付いている様です。

留学の利点は、学校の授業だけでなく、
授業が終わった後も、中国語の環境が続く事です。
北京にはタクシーの運転手、レストランのウエイトレス、
売店のおばちゃんなど、厳しい先生がたくさんいます。
発音がちょっとでも違うとすごく嫌な顔で、
「あ〜〜?」と聞き返されます。

「こっちは外国人だって分かってるんだから、
ちょっとは大目に見てくれてもいいじゃないか!」
と思う事もありますが、
彼らのお陰で、というか、
あの「あ〜〜?」が聞きたくないが為に、
我々北京に住む外国人は正しい発音を
短期間で身に付ける事が出来ています。
彼らには感謝しなくてはなりません。

留学先としては、やはり北京がお薦めです。
上海や他の都市の学校に行っても、
ちゃんと中国語の標準語である
「普通話(ぷーどんほぁ)」を教えてくれるのですが、
一歩学校の外に出ると、
同じ普通話でもその土地その土地の訛りがあるので、
訛った普通話が身に付いてしまうかもしれません。

やはり、せっかく中国に留学するなら、
正しい普通話を身に付けた方が良いと思います。
その上で、上海に行くなり、
他の都市に行くなりされては如何でしょうか。
但し、「正しい普通話を」という理由で北京に留学した人達は、
だいたい北京が大好きになってしまい、
卒業後もどうしても北京に住み続けたい、
となってしまう様ですが。


←前回記事へ 2003年5月21日(水) 次回記事へ→
過去記事へ
ホーム
最新記事へ