第106回
高収入職種、ツアーガイド

「4泊5日、北京健康の旅」は、インターネットを通じて、
日本からの参加者募ろうと思っていましたが、
ある方から「旅行業免許を持っていない人間が、
日本で旅行を売る事は旅行業法違反になる」と指摘され、
あえなく企画は頓挫してしまいました。

旅行業法は無許可の悪徳旅行業者から
消費者を守る為の法律かとは思いますが、
海外から見ると日本の旅行会社を儲けさせる為に
作られたとしか思えません。
海外の旅行会社が日本人に旅行を売ろうと思ったら、
旅行業免許を持った日本の旅行会社を経由せざるを得ません。
日本の旅行会社は航空券を手配するだけなのに、
自社の利益をどかっ、と乗せて販売するのでしょう。

中国側のツアーのコストは非常に安いので、
ツアーに付いてくれる日本語が話せるガイドさんは、
さぞ安い給料で扱き使われているのではないか、
と思われるかもしれませんが、実はそんな事は無く、
むしろ、ガイドは日本語を話せる中国人の就職先としては、
ダントツの高収入職種です。

私が起業して間も無い頃、
北京空港で日本から飛行機で来るお客さんを待っていた時に、
日本語が話せる知り合いの中国人女性に会いました。
この女性、以前は日系企業で働いていたのですが、
ガイドの免許を取って、
今では中国の大手旅行会社に勤めている、との事でした。

給料はいくらか訊くと、
「月2,000元(30,000円)」という答えでしたので、
「それじゃ、日系企業にいた時より少ないんじゃないですか?」
と言うと、「とんでもない!」との事。
よくよく聞くと、会社からもらう給料は月2,000元ですが、
キックバックやチップが大きいそうです。

日本から来たツアーのお客さんを、
提携しているお土産屋さんに連れて行って、
お客さんが買物をすると、
なんと売上の40%が彼女の懐に入るそうです。
先日のツアーでは、お客さんの1人が
10,000元(150,000円)もする翡翠の置物を買ってくれたので、
一瞬にして会社からもらっている給料の2倍に当たる
4,000元(60,000円)が懐に入ったのだそうです。

又、夕食を食べた後で、何となく物足りない殿方を、
提携しているカラオケ屋に連れて行くと、
これまた売上の一部がキックバックとして彼女の懐に入るそうです。

お客さんは、言葉が全く通じない中国で、
彼女無しでは買物にもカラオケにも行けない為、
大変彼女に感謝し、
実は既にこんなに抜かれているのに、
更に感謝の気持ちとしてチップをくれるそうです。

これらのキックバックやチップを全て合わせると、
最低でも月20,000元(300,000円)は行くそうです。


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