第110回
超優良企業、外企

現在、当社では日本語を話せる中国人スタッフの募集をしています。
当社の様な零細企業が業容の拡大により人手不足に陥ると、
どうしても経営者に仕事の負担が重くのしかかってきます。
本来ならばスタッフに任せてしまえる様な仕事も
自分自身でやらなければならない状態が続くと、
「誰でもいいから早く人を雇って、楽になりたい!」
という衝動に駆られるのですが、
過去何度も慌てて人を雇って、使えない人材を掴んでしまい、
人件費をドブに捨てている経験から、
今回はじっくりと優秀な人材を雇いたいと思っています。

北京で日本語人材を探す場合、
「外国企業服務公司(外企、わいち)」という
人材派遣会社に問い合わせるのが最も効率的です。
中国では外国企業の駐在員事務所は、
中国人の人材を直接雇用出来ない事になっており、
雇用したい場合は、
外企の様な人材派遣会社に雇用されている人材の派遣を
受けなければならない事になっています。

外企は北京の人材派遣市場では、ほぼ独占状態ですので、
外国企業に就職したい人はみんなこの外企に登録します。
中国資本の企業や、日本企業の現地法人は、
直接雇用が認められており、
人材派遣会社からの派遣を受ける義務は無いのですが、
日本語人材を探す場合、
その人材ストックの多さから
外企に問い合わせをする会社が多い様です。

この外企は、政府の規制に守られて、
且つ、ほぼ独占状態ですので、
とんでもない派遣料を取ります。
派遣されたスタッフの手取り給料が3,000元(45,000円)とすると、
外企の派遣料は手取り給料と同額の3,000元(45,000円)、
更に保険や年金などの費用で
2,000元(30,000円)近く取られますので、
実際に外企に払う人件費は
8,000元(120,000円)にもなってしまいます。

それでも派遣されてきたスタッフが優秀ならば、
日本の本社で日本人を雇うより、
はるかに安いコストで優秀な人材を確保出来る訳ですから、
外企に取られる派遣料は「税金」と割り切って、
我慢して払っている様です。

外企の経営状態は分かりませんが、
「政府の規制に守られた独占企業」であり、
「ほとんど労力をかけずに、毎月必ず現金が入ってくる」事から、
非常に堅固な財務体質を持つ超優良企業である事が予想されます。
それも、外国企業が中国への進出を止めない限り、
この状態は継続します。
外企は上場していませんが、
上場したら絶対に「買い!」だと、密かに考えています。


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