第125回
ロイヤルティ63%!

お陰様で北京で中国事務所代行事業を始めて、
もうすぐ丸2年になります。
途中、仕事が無く、資金もものすごい勢いで減っていき、
もうダメかと思いましたが、
その後、パートナーやお客様に恵まれ、
何とかここまで会社を潰さずにやって参りました。

パートナーやお客様との出会いは、
正に「運が良かった」としか言い様が無く、
商売や経営者自体の実力も然る事ながら、
「運」が良くないと商売はうまくいかないものである事が、
身に沁みて分かりました。

中国の個人企業はみんな「風水」を重視します。
事務所やお店の「風水」が良くないと、
何をやってもうまくいかない、と言います。
以前の私ならば、
「風水など迷信だ。商売は実力さえあれば必ず儲かる」
と一蹴していたと思いますが、
今は彼らの気持ちが非常に良く分かります。

元々、「中国事務所代行事業」は、
私が丸紅の北京支店で石炭の駐在員として働いている時に、
「負担しなければならない費用が高いなぁ」
と思った事が始まりでした。
私が1人駐在に出ている事によって、
私は1年間に45万ドル、日本円で5,400万円の費用を、
日本側に負担してもらわなければなりませんでした。

丸紅の北京支店は現地法人では無く、駐在員事務所ですので、
本来「稼ぐ」という概念は無いのですが、
実際は、年間5,400万円を日本側に負担してもらえなければ、
北京支店の費用が足りなくなってしまう訳ですから、
感覚的には「5,400万円稼いで、やっとトントン」という所です。

一方でもらっている給料は年間1,000万円ちょっと。
その他に、北京では家賃、子供の学費、幼稚園費用、
一時帰国費用などを会社に負担してもらい、
更に、事務所の家賃負担、スタッフの給料、
運転手付きの車などの費用が発生しますが、
それでもその他の費用の合計が
年間1,000万円を超える事はないと思います。

給料とその他の費用、合計して年間2,000万円ですが、
そうすると、後の3,400万円はどこに行ってしまうのでしょう。
「丸紅」の名前を使わせてもらう「のれん代」としては、
これは余りに高すぎます。
ロイヤルティを63%も取られるフランチャイズチェーンがあっても、
誰も加盟しないのではないでしょうか。


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