第134回
「駐在員起業」増加、3つの理由

今後、中国で「駐在員起業」をする人が増えると思われる理由は、
3つあります。

まず1つ目は、言葉の問題が無い事です。
日本企業の駐在員は会社のお金で留学して、
中国語を勉強した上で駐在になる事が多いですし、
私の様に留学をせずにいきなり駐在したとしても、
3年もあれば、中国語で中国企業と交渉出来るぐらいにはなります。
中国で起業するに当たっては、
日本語が話せる中国人パートナーやスタッフがいれば、
言葉はさほど問題にはなりませんが、
話せるに越した事はないかと思います。

2つ目は、駐在中に中国経済の現状、
それぞれの業界の中国での現状などが分かる事です。
更に、日常業務を進めて行く内に、
政府機関や中国企業にも知り合いが増え、
ひょっとすると一緒に事業を起こそう、
というパートナーが見つかるかもしれません。
また、中国での生活状況がどうなのか、
家族と一緒に住む事は出来るのか、などの状況も分かります。
これらの情報は、駐在員にとっては簡単に手に入るものですので、
ずっと日本にいたサラリーマンが会社を辞めて
中国で会社を興すケースに比べれば、
かなり有利であると思われます。

第3は事業を興すに当たっての資本金です。
以前に比べれば、中国、特に北京や上海などの大都市は、
格段に暮らし易くなっています。
それに従って、日本企業の駐在員への待遇は、
どんどん悪くなっているのですが、
それでも、日本にいる時に比べれば、
会社が負担してくれる費用はまだまだ多いと言えます。
会社によってその待遇はまちまちですが、
一般的に家賃、光熱費、タクシー代、幼稚園・学校費用は
全て会社負担です。
会社によっては、通常の給料に加えて駐在手当が出ますので、
可処分所得は日本にいる時よりずっと多くなります。
更に、中国は物価が安いので、
普通の生活をしていれば、お金はどんどん貯まっていきます。
駐在員の中には、住宅ローンを早く返済したいので
志願して中国に来た、という人までいます。

上記の様に、中国に何年か駐在すれば、
言葉は話せる、状況は分かる、お金は貯まる、
と起業の条件が整います。
こうした事から、今後、私の様に日本人の駐在員が
そのまま中国で会社を辞めて、
起業するケースが増えていくのではないかと思います。


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